千葉の中堅の高校から東京に大学に行った自分は正直、大学生になるまで知らなかった。東京の西の方にある私立の女子大で女子大の中ではトップクラスの大学がこの本の著者が所属する津田塾大学。
通っていた大学が近くにあり、所属していたインカレのサークルに津田塾大学も参加していたので関わる機会があったが、ハキハキしている女性もいればのんびりしている女性もいる。他の女子大生と何が違うのかといえばはっきりとこれと言うのは難しいし、大学名でレッテル貼りをしたくもないけど、”男子大”がない中で”女子大”は残っていてその女子大に通っている女性にはなにかあるのではと思ってしまう。
そんな津田塾大学のゼミ生が女性について考えた論考がゼミを担当している教授の名前でまとめられている1冊。著者は教授である萱野 稔人さんなんだけど、元々の原稿はゼミ生が書いていて文体も人それぞれ。
『女子力革命』というタイトルから女性向けに男性社会で舐められないための自己啓発だったり、鍋を取り分るような”女子力”をどう鍛えるのかが書かれている本のように思われるかもだけど、そんなことはない。
出産や更年期にまつわる女性の体、おひとりさまやパートナーシップ、婚外子などの形がある中での結婚の形の話、そして、仕事と子育てとどう向き合っていくのかの話などそれぞれのテーマの文章が集められている。
女性がこれからどう生きていくのかを考える等身大の材料にもなるんだろうけど、男性のほうが読む意味があるかもしれない。最近の女子大生が社会に対して仕事に対してどんなことを思っているのかを知るインプットになる。
これから30年、40年働いていく中で職場での女性の価値があがり、更に考えないといけない。女性が活躍できない理由は能力的な差ではなく男性が家事、育児、介護などを押し付けている現実もあり、その現実が変わっていく中でどうすればいいのかを読みながら考えてみてはどうか。
あなたの名前は「女」ではない。「妻」でもない。「男」でもないし、「夫」という名前でもないだろう。あなただけの望みのままに、推進してゆけばいい。
「結婚できない」に関する文章の中に出てきたこの言葉が印象的だった。
【手に入れたきっかけ】
「本が好き」というWEBサイトの献本キャンペーン!
【オススメ度】
★★★★☆
小檜山 歩
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