人が人を殺す。
人を殺す力となるのは何か。何か人を殺す力となり得るものを把握し、操れる事が出来るようになれば、自らの手を煩わせることなく、人を殺す事が出来る。
自らの手を汚して数多くの人を殺してきた男が自分ではわからない人を殺す力となる何かを突き止めようとする。
最初から人はものなんじゃないかと思わせるほどの人の体のえげつない描写が行われる物語。
アメリカの特殊部隊の隊員が主人公の物語。舞台は近未来。先進国ではシステムが人を追跡し、社会を管理することで安定が保たれていると信じられている世界。オーウェルが描いたほどの露骨な管理社会ではなく、ほどよく管理され、人々は自由を享受していると信じている。ただ、宅配ピザの受け取り一つにも指紋認証が必要な世界。それが違和感なく出来る世界。
仕事として人を殺し、「植物状態」になった母親を自らの許諾で殺した男。
追い求めるのはいく先々で大きな争いと大量の死者を生み出している男。男が死者を生み出している仕組みと仕組みを使う理由は信じがたいけど、100%の否定は出来ない残酷なこと。
争いを生み出すのは何か、争いをなくすことは出来ないのかを考えるキッカケになる。そして、今、自分が存在している社会の近未来の姿かもしれないものが垣間見える物語。
【引用】
ぼくの母親を殺したのはぼくのことばだ。
どこからが生で、どこからが死なのか、二十世紀のおわりから、医療技術の発展とともにそれは曖昧になるいっぽうだったけれど、半世紀以上ものあいだ、人類はそれに対し目を閉じ耳を塞ぎ、そうした問題はほかの問題と同じく先送りにしてきたのだった。
心の健康を保つためには、深く考えないのがいちばんだし、そのためにはシンプルなイデオロギーに主体を明け渡すのがラクチンだ。
すべての仕事は、人間の両親を麻痺させるために存在するんだよ資本主義を生み出したのは、仕事に打ちこみ貯蓄を良しとするプロテスタンティズム
【手に入れたきっかけ】
話題になっていたので、Kindleのキャンペーンで購入!
小檜山 歩
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