恋愛もののお話が好きじゃない。正確に言えば恋愛だけが描かれるお話が好きじゃない。
いきなりなに言ってるんだと思われるかもですが、私は恋愛体質だったと思う。
中学生の頃から大学生の頃までいろんなことがあった。いろんな人にご迷惑をかけた。高校生の頃にその時に関わりを持っていた同級生の女の子から「あなたは恋愛で身を滅ぼす」と言われたことを今でも思い出す。とりあえず、今のところ、身を滅ぼしていなくてよかった。
そんな自分だけど、デカデカと”恋愛もの”の雰囲気をまとっているお話が本でもドラマでも好きじゃない。月9全盛期に青春を過ごしていたけど、そんなにハマったのは多くなかった。でも、木村拓哉と柴咲コウのGood Luck!!は好きだった。それは恋愛ものでもあるけど、お仕事ものでもあったからだと思う。
恋愛は面白い。SEXも含めるといろんなもんが詰まってる。細かく思い出したりこうだったら、ああだったらと考えるといくらでも考えられる。でも、それだけを描かれるとなんだか嫌になる。恋愛は中心じゃなくていろんな自分の傍らにあるものだと思うからだろう。
そんな自分にとって恋愛小説の理想形の1つがこれだったのかも。日常の横にある恋愛と人と人のつながり。恋愛は人と人のつながりの中の1つだし、恋愛ではない人と人のつながりもある。でも、恋愛になることもあれば恋愛の一歩手前のまま時が流れることもある。時間をかけてゆっくり作っていく恋愛もあれば理由はわからないけど、サクッとうまくいく恋愛もある。
そんないろんな人間関係と恋愛が1つの世界の中でいくつもある。そんなのを描いている。フィクションなんだけど、どこか自分の話と地続きな気がさせてくれる。そんな小説でいい感じでした。
いいなぁと思った文章がこちらの2つ。
三十過ぎた大人の考え方を変えるのは、モアイ像を人力で動かすぐらい難しい
あと、2年で三十だからね。不思議とそうなるのかなぁ。
「親になるのに資格試験がない、というのが恐ろしい」と嘆いたのを思い出した。「まあ、そんなことになったら親になれる人がぜんぜんいなくて、人類滅びちゃうけどね」
同級生もそこそこ親になってきてるからねぇ。考えますわ。
タイトルになってるアイネクライネナハトムジークの元ネタは誰もが知っているこのクラシックの曲。なんだか作品につながっているようなつながっていないような。
で、この本に出てくるとある人とつながって曲ができてる。どこかでフルで聞きたいなぁ。
【次の本】
『AX アックス』(伊坂 幸太郎)
あとがきで紹介されていた本のうち、次に読みたいと思ったのがこれ。
【手に入れたきっかけ】
連れにもらったので読んでみた!
【オススメ度】
★★★★★
小檜山 歩
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