メインは43分を超える試合をしても決着がつかなかったこともある朱里と林下詩美が赤いベルトを争って戦うことになったタイトルマッチ。この2人を見ているとひと昔前の新日本プロレスの勢いがとんでもなかった頃のケニー・オメガとオカダ・カズチカの関係性と重なる。その頃の2人は60分時間切れ引き分けや61分3本勝負などを戦っていた。
決着のつかない極上の試合をしたり、朱里は外様から成り上がってきたところやスピードを活かしつつ一瞬のパワーを見せるところがケニーに重なり、若い頃からとんでもない才能を見せ続けてきた林下詩美はオカダ・カズチカと重なる。
ケニー・オメガは棚橋弘至との重みのあるイデオロギー闘争の果てに自分のプロレスを追い求めるためにAEWを作って独立することになったのだけど、朱里はスターダムの中心に立つのかもしれないと思わせる試合だった。
攻防の1つ1つが重い
総合格闘技のルーツがある朱里と柔道のルーツがある林下詩美ということで競技性の高いグラウンドでのやり取りから試合が進んでいく。緊張感があり、見るものを引きつけることができるグラウンドを見せられる選手は一握りでその一握りに2人は入るのだと感じさせる戦いを見せていた。グラウンドでのやり取りから少しずつ発展して飛び技、投げ技をお互いに出していく。その中でも場外での重みのある技のやり取りに両国が驚かされた。
エプロンから場外に落とす衝撃
セミファイナルでの場外での技のやり取りは飛び技が中心だったことに対して、メインは重みを更に感じさせる投げ技が中心になっていった。エプロンから場外に落としていく衝撃技もあり、正面側で繰り出したことも合って向正面からは林下詩美が朱里を抱えてリングの下に消えていった瞬間に地面に体が打ち付けられる衝撃を感じさせた。そんなハイレベルで重みのある技の展開から感情も出てくる。
感情がぶつかる打撃から朱里が新技で奪取!
どっちに転んでもおかしくなかった技のやり取りが続いていつ決まるのかわからない試合に惹かれていった。林下詩美を朱里が肩車で持ち上げるという見ている人たちは初見の動きに驚かされる中でエメラルド・フロウジョンのような形で落とす新技で王座を奪取した。ここでも肩車から落としていく技が必殺技だったケニーと重なるところがあった。
軽さを感じさせることもあった朱里が投げ技のフィニッシャーを身につけて絶対王者いなることを期待しつつ、周りも黙っていないことも感じさせたスターダムの大きなうねりを感じさせたメインイベントだった。
小檜山 歩
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