若くしてスターダムに入り高校生レスラーとして将来を嘱望されてきた渡辺桃という選手が変わろうとしている。本隊であるSTARSからQueen’s Questに移った時もヒールとしてではなく、エリートとしての特徴が大きくなり、白いベルトを巻いて最多防衛記録を作り、実績は十分ながらここのところあと一歩のところだった。
5★STAR GP 2021での朱里との決勝戦も破れ、準優勝に終わり、スターダムの中心にはあと一歩の状態になっていた。あり得るかもと思いつつもないと思っていたヒールターンをして大江戸隊に入り、ブラックピーチになった渡辺桃がスターダムリユニオンマッチに出場した。
スターダムでデビューし、戦い続けてきた岩谷と渡辺、移籍して他の団体のエースとなった彩羽、退団したけど戻ってきた葉月と違う道に進んだ4人が両国のリングに揃った。
まっすぐ戦いたい岩谷、彩羽、葉月の中でのらりくらりの戦いをしたのが渡辺桃だった。序盤はそこまで試合に入らずだったものの中盤で葉月といい感じの連携を出してこのままスイングするのかと思った瞬間にフォールをしている葉月に対してとんでもないキックを決めてその後も見殺しにした。裏切られた葉月がその後も岩谷と彩羽に向かっていった。
一度、引退する前から好きだった選手ということもあって復帰後も鍛えられた体でスターダムのアイコンとマーベラスのエースにぶつけていった。動きのキレは相変わらずでこれからも追いかけていきたい。
ただ、よくも悪くもこの試合の中心は渡辺桃で試合後に彩羽匠に「中途半端なヒールやってんじゃねぇ」と言われながらもふてぶてしいマイクアピールまでやり切った。前よりも体も厚みを増してきていて、強烈なキックの説得力が増していた。渡辺桃のこれからがどうなっていくのかがやっぱり気になってしまった試合だった。
小檜山 歩
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