真面目でつまらないかもしれない。でも、その真面目力を感じさせる 松井秀喜『不動心』

【ポイント】
1,松井秀喜選手が自身の野球哲学について真面目に語り尽くす
2,真面目でつまらないかもしれない。でも、その真面目力を感じさせる
3,率直な真面目な言葉で語っていく

松井秀喜はいい子でつまらない。
そんな意見があることを本人も分かっている。世界で活躍する日本人野手として、松井と並んでか、それ以上の選手として挙げられるイチローは第2回WBC(World Baseball Classic:野球の世界一決定戦)の決勝戦での決勝タイムリーの後、「ほぼイキカケました」・「日本からの目が物凄いことになっていると思って」と言ってしまうなど、人を惹きつける言葉を使うことがある。でも、イチローのような批判されるかもしれない言葉を松井選手からは聞かない。
自分でもそれを自覚している松井選手が“本当はどんなことを考えているのか”を“素直”に伝えようとしたのがこの本。1冊を通してとにかく真面目で、つまらないと言ったらつまらない。でも、真面目なんだから仕方ない、と思えました。
2006年5月11日に試合中の守備で左手首を骨折し、生まれて初めての骨折で初めての手術を経験した松井秀喜という野球選手がその怪我のことから野球の中で、自分をどうコントロールしていくのか、努力について考える事、野球における師について、そして、野球と自分について自分が経験したエピソードを交えながら語っていきます。とにかく、まじめに。
そんなことまで言っちゃうんだ!とか、そんな言い方していいのか?ということもなく、野村克也さんの『野村ノート』のように選手を評価することもありません。とにかく、自分語りが続きます。そして、最後に松井秀喜とは何か、夢は何か、ということについて語る所でも率直な真面目な言葉で松井選手なりの答えを出しています。
松井選手のファンであったり、野球の本が好きじゃないと読むのが大変かもしれません。でも、こうも考えられるかもしれない。どんな人であっても、まじめにやり続ければここまでの人間になれるということを示しているのかも、ということです。真面目の力を感じさせました。☆3つです。
自分なりタイトルは皮肉も込めて『真面目力』ですかね。

不動心 (新潮新書)
松井 秀喜
新潮社 ( 2007-02-16 )
ISBN: 9784106102011

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。
小檜山 歩
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。