生きた原発学者の気持ちと分かりやすい原発の説明が収められている本。『原発はいらない』

P163 「自分が住んでいるところに、原発がくるのは嫌だけれど、他の場所に作るなら構わない」という「自分本位」の考え方では、原発を廃絶できません。原発の持つ差別の構造に一刻も早く気づき、すべての原発に「ノー」と言うことでしか、日本の原発を止めることはできないと思います。

この言葉にこの本の全てが詰まっている気がする。「家の近くに原発がくるのはイヤだけれど、原発はなくなってはいけない」と主張する、もしくは暗黙によって容認している(こっちの人の方が多いと思われるが)人への「原発はいらない」という率直なメッセージが詰まっている。
もちろん、原発の仕組みや原発の歴史、福島の原発の事故についての記述が多くを占めている。それらは論理的になぜ、原発は必要ないのかということを分かりやすく伝えているし、なぜ、マスメディアはこの学者を使わないのか。原発を推進すべきとする学者と対峙させてみればいいのに。と思ったりもする。
筆者は40年間、原発の廃絶を主張し続けてきた。廃絶の論理は学者として創り上げてきたのだろう。でも、それ以上にこの人の気持ちの力が伝わってくる。「原発は必要ない」という気持ちが。
それは学問に取り組む学者の姿勢としてふさわしいのか。という批判を行う人がいるかもしれない。でも、そんなことは決してない。心ない研究は社会の役に立たないように思えるから。というより、心のない研究者は社会と関わりを持とうとしない。そして、御用学者になり、自分の世界に閉じこもるもんだろう。そうではない、生きた原発学者の気持ちと分かりやすい原発の説明が収められている本。この立場の誇りが伝わってきた本として☆5つ。また、色々書かせてもらう。
1. 「安全」のブラックジョーク
2. パニックを防ぐために必要なのは・・・
3. 火力をフルにすれば!
4. 原子力のコスト
5. 助手暮らし
6. 無人地帯にしか・・・
7. 仙台、東京に原発を作らないのは?

思うことがあったり、良いと思ったり、反論があったり、おかしいと思うことがあったり、質問があったり、言いたいことがあったり、
同意があったりしたら反応をして頂けると幸いです。なるべくというより出来る限り私も反応します。
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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。
小檜山 歩
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。