普通ではない方法で直していく、精神科医の言葉と行動は読み手の心に良い隙間を与える 『空中ブランコ』

☆4つ。おもしろいカバーだなぁ。と思って、
手にとってとりあえず買った1冊。これも古本屋。
少し読むと、「これ、ドラマで見た!」と気付いた。
そんなに熱心には見なかったけど、かなり宣伝されていたし、
次の番組を見ていたのからかもしれない。
ドラマの名前は『Dr.伊良部一郎』。2011年の最初の時期に流れていた。
そのドラマの原作。ものすごく変わり者の精神科医のもとに来る
少し変わった患者の物語集。いろんな患者が出てきて、
それぞれの患者ごとに描かれる短編集となっている。
その中で、題名の『空中ブランコ』はそんなに好きではなかったけど、
「義父のズラ」と「女流作家」は良かった。笑ったし、描写に心がひかれた。
出てくる患者たちの悩みは自分が心の隅に押し込めている
悩みの一部なのかもしれないし、その悩みを我慢ではない
普通ではない方法で直していく、精神科医の言葉と行動は
読み手の心に良い隙間を与える。
そんなに心をキツくする必要はないということを感じる。
いろんな良い言葉もあった。良質な小説だと思う。
でも、なんか押しがひとつ足りない気もする。
もっとふり幅をもたせたり、えげつなさが入ったのが、
自分は好きなものかもしれない。
でも、ドラマをDVDで見るより、やっぱりこの本を大切にした方が良い。
精神科医の体系も違うし。

空中ブランコ
奥田 英朗
文藝春秋 ( 2004-04-24 )
ISBN: 9784163228709

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。
小檜山 歩
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。