ジャーナリズムに関する論文集のようなもの。今回は世論調査を特集している号。卒論に世論調査をテーマに入れようと思っていたので、買った号。資料としての価値は一定あるけど、やっぱり、マスメディアが主体。これを出しているのは、朝日新聞社のジャーナリスト学校なので、現象のみをとらえている印象が強い。
社会学や、メディア論の理論を持ち出している感は少ない。それぞれの世論調査に関する文章はそれぞれの分野が異なって広いので、また、1つ1つ分けて書こうと思う。①各紙の担当者の語り②専門家不在が引き起こすこと③世論「観測」とは?④討論型世論調査、そして、卒論で注目したいネット世論調査に一番触れている⑤ニコニコ動画の世論調査について。というもの。
特集の世論調査以外についても書かれているので、それをここでは書きたい。「新入記者のための取材・執筆講座」として取材の基礎を学べるような連載の第一回が大きくページを割いて載せている。かなり、参考になるけど、この見方に一元化してしまうリスクは考えないと、記者一人一人の特性というものが見えなくなってしまう恐れもはらんでいる。
また、尖閣ビデオ流出事件について、
P57 マスメディアが、ユーチューブの「棚ボタ映像」を二次、三次加工して安手のストーリーを作りあげ、それで「国民の知る権利」を代弁したつもりになっているとすれば、「お気楽」もいいところだ。
という見方を展開しているのは目をひいた。ユーチューブに流れていた映像はテレビで流された映像よりも何十倍も長い。それを、編集し直して、あたかもいきなり中国船がぶつかってきたように見せることの問題を44分の映像をどう編集するのか、レンズの特性、ニュアンスの洞察、「報道ステーション」で古館キャスターの語り口などからこの問題を指摘しているのはネットとマスメディアの関連を考えさせる一つの良質な分析だった。
全体として、特集の世論調査は大手、それも新聞の世論調査が分析の対象の大半を占めていたのは残念。テレビの「100人に聞きました」のようなものやネットのものも、もっと多く取り上げてほしかった。でも、マスメディアというより、新聞側が世論調査をどう捉えているのかを知る材料としては十分満足できるものだった。☆4つ。
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小檜山 歩
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