堀江氏の目を通して社会を見ることが出来る一冊。権力へ抗戦したい人も、したくない人も権力について知りたい人も読むべし! 堀江貴文「徹底抗戦 (集英社文庫)」

 先日、堀江貴文氏の収監が決定した。いろんな観点から実刑はおかしいとされている実刑判決。でも、実刑で確定し、檻の中に入れられてしまうことが確定となった。その少し前に読んだ本。本のコトバを借りるなら、

P198 この本に書かれたことは、私側からみたライブドア事件の「真実」である。

 の通り、堀江氏がのし上がり、世間からすると落ちていった。その過程を堀江氏の目線でとらえ、書き連ねた事になっている。「目標と宇宙の話、東京証券取引所のもろさ、フジテレビ買収、人質司法、宮内氏との対立、責任からの徹底抗戦、疑わしきは有罪、日本の司法の闇、ライブドア事件の見解、生きている会社への制裁、マスコミと検察」と本当に多岐に渡る分野に話は及んでいる。この本の中で、特に「おっ」と思った箇所が2つある。
 1つ目は「風呂でオナニー」の話。おい!下かよ!とお叱りを受けるかもしれないけど、男にとってこれは本当に大問題である。一週間、二週間、一ヶ月とぬけなくなるとそれは大変なことになると同じ男として思う。そんな時にどうすべきなのかを事細かに書いている。ほぼ1ページだけだったけど、楽しんで読めた。息抜きの箇所だろう。でも、犯罪者とされて拘置所に入れられると本当にいろんなことが制限されるんだな。ということがここから透けて見える。そこまで制限する必要があるのか。という疑問は生まれる。
 そして、もう1つは亀井静香氏について。堀江氏が本の中で「究極の「政治屋」」(P139)としている亀井氏が裁判中の堀江氏に国民新党から出馬しないか打診した話。そこまでやるのか。ということをしっかり分析しているのが興味深かった。締めに

P206 もっと前向きでビックなプランを発表できるように刑事事件のプロセスを早く終わらせられればと思う。その暁には、再び大車輪で世界のみんなが夢を持てる社会を作ることに最大限の力を注いでいくつもりだ。

 としている。世間に出てくるのは2013年だろう。その時の日本はどうなっているのか。多分、大して変わっていない。この事件で多くの「善良な一般市民」からは犯罪人とされている堀江氏だが、ネットの中ではかなり支持されているのも事実である。懲役中もいろいろ発信するとしているし、出てきた時にどう動くのかは注目に値する。もう一度、政治の世界に飛び込むのかもしれないし、起業するのかもしれない。でも、マスメディアに嫌われているのは事実。知り合いのマスメディアの人も「堀江氏が言っていることも、それを支持する人も論理が通ってない」と話す。そんなことはないと思うのは自分だけなのかな。
 少なくとも、また名前を目にするだろう。不審死とかしなければだが。とりあえず、期待したいと思わせる内容だった。また、読み手としては、堀江氏には申し訳ないが、とんがるとこうなってしまうという具体例を辿ることも出来るし、検察や経済について学ぶ際の材料にもなる。もちろん堀江氏の意見であると注釈をつけて読む必要はある。また、娯楽としても十分楽しめる内容☆5つ。堀江氏の目を通して社会を見ることが出来る一冊。権力へ抗戦したい人も、したくない人も権力について知りたい人も読むべし!

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。
小檜山 歩
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。