国際法Ⅰ part2 

 国における法律は、立法府から法命令がその対象に下されるという点で、垂直的であるといえる。しかし、国際社会では、立法府がなく、各国が水平的な関係でつながれている。
 多くの人がご存じのとおり、国連は世界政府ではなく、主権平等(sovereign equality)の原則が適用される。
 そのため、国が裁判の対象になることは難しく、その対象となることを国は拒否できる。そして、国際法の主体は国家である。というものが原則であった。
しかし、最近国際法の対象に個人を含ませるという考え方が生まれてきている。人道法などが、その一例である。そのため、国際法で個人を罰する動きが生まれてきているといえる。
だが、未だに国を罰するという動きはない。これを国家関刑事法の欠如という。
しかしながら、主権と国際法の規制というゼロサムの関係において、国家の主権が小さくなり、国際法の規制が大きくなるということが起こっているのは事実である。この動きは、新たに国際法において反人道的な人物をさばくことができるようになる始まりであるように思える。
そして、もう一つの動きが国際法のヒエラルキーの明確化である。これはjus cogensと言われる強行規範(ex ジェノサイドの禁止、拷問の禁止、武力行使の禁止)は一般の規範の上に立ち、強硬規範に違反する規範は無効となる。という考えである。
この授業では、国際法の基礎知識を得るとともに、国際法の可能性が見えるような気がする。確かに、政治上難しいかもしれないが、完璧でない国際法という分野には完璧でないが故にかなり大きな可能性をはらんでいると思う。

The following two tabs change content below.

小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。
小檜山 歩
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。