一瞬のその後も生きていくことを改めて考えさせる。 江國香織『号泣する準備は出来ていた』

【ポイント】
1、そのあともあり続けないといけない物語集
2,約20ページ×12本の短篇集
3,自分なりタイトルは「何かがあった後の話たち」

「かつてあった物たちと、そのあともあり続けなければならない物たちの、短篇集」
こんなふうにあとがきに書いてある1冊。
『東京タワー』・『間宮兄弟』などが有名な江國香織さんの直木賞受賞短編集です。20ページぐらいの短編が12本も入っています。なんだか、お得感がある1冊。
人って一瞬を生きているんじゃない。
初めて彼女が出来た、凄いホームランを打たれた、大学に合格した、これら一瞬は記憶に残りやすい。でも、“何気ない日常”の記憶が残っていることは全くないと言っても過言ではない。だけど、人はその“何気ない日常”を通して少しずつ変わり、変わらず生きていく生きもの。その日常が描かれている。
一瞬のその後も生きていくことを改めて考えさせる。「こうなればいいのに」がずっと続くとは限らない、満たされない物語集。☆4つ。

号泣する準備はできていた
江國 香織
新潮社 ( 2003-11-19 )
ISBN: 9784103808060

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。
小檜山 歩
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。