『キリストのクローン』という壮大な物語の結末。キリストのクローン・クリストファーと、その親代わりデッカーの物語はこの一冊で終わる。
第五と第六の天使によって、地上は闇に覆われ、川は枯れた。聖書に書いてある災厄。神の国が来る前に起こる恐ろしいことが現代に起こったらどうなるのかを描く。災厄を経験したデッカーは一つのひっかかりを解き明かすためにクリストファーの元へと行き、対話を始める。二人の物語のクライマックス。手に汗を握る攻防。
対話の後にもストーリーは続くが、『キリストのクローン』三部作の核はこの部分に集約されている。キリストのクローン・クリストファーと親代わりのデッカー。一度離れ、何かを考えたデッカーが信じているクリストファーに対して、自分の意見を伝える。自分が信じてきて正しいと思ってきたものへ、疑問をぶつける。デッカーに寄り添い、物語を読んできた者にとってはなんとも言えない気持ちになる。
何歳になっても自分を動かす何かには嘘をついてはいけないと改めて感じた。
物語の最後には誰もが知っている2人(?)が闘う。エピローグでは全てを明かされる。
神とは何か。キリスト教の信仰についても学ぶことが出来る物語、最終章。キリスト教を学びたい人に対して、いきなり聖書を渡して読んでもらって理解するのは難しい。この物語を初めから最後まで読めば、物語の面白さとともにキリスト教の世界観を知ることが出来る。ブッタとキリストの物語、「聖おにいさん」もアニメ化されるし、キリスト教ブームが来るかもしれない。キリスト教を学びたいSF好きやミステリー好きにはたまならい物語。
【引用集】
「しかるべきときに、しかるべきところにいた。」(277)
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小檜山 歩
コンサルタント : 日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。
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