原爆投下の先にある未来の物語。
原爆の悲惨さを描くのではなく、悲惨な状況の中で残された未来への希望と今をつなぐ。
原爆が投下され、焼け野原になったヒロシマ。爆心地に近い小学校の内、鉄筋で出来たがゆえに建物が残った小学校があった。
その日、その小学校に登校した子どもの中で生き残ったのはたった1人。でも、疎開していた子どもたちが帰ってきて机も椅子も筆記用具も満足にない中で授業が行われた。
日本の状況を知り、アメリカのとある教会から贈られたのは文房具。アメリカの匂いが染み付いた”かっこいい”文房具をもらったお礼に生徒たちは絵を書いて送った。
そんな昔の出来事。
時が経ち、教会の地下で絵が見つかり、それが多くの人に知られたところから物語が動き出す。
絵を日本に送り、絵を書いた人の手に戻す。そんな半世紀以上続く物語を追ったドキュメンタリー。
悲惨な状況で子どもたちが描いた絵は明るい色で溢れていた。「人を殺すように育てられてはいない」人間が「人間でなくなる」戦争の中で子どもたちは未来を描き、今につながっている。
70歳ぐらいになった絵を描いた子どもたちは懐かしみながら絵について語り、アメリカの教会でこの戦争を見ていた人たちも戦争を振り返る。
戦争の悲惨さはもちろん語られるけどその中でも前を向いて生きていた子どもたちと先生の心が眩しい。
教会からはおもちゃも贈られていてその中の1つにいろんな色のビー玉があった。このビー玉が辿った物語にはほっこりさせてもらった。
見終わった後には平和のありがたさだけでなく、子どもの生きる力を感じさせてくれるドキュメンタリー。
【リンク】
新人監督映画祭
ドキュメンタリー映画 「ヒロシマの校庭から届いた絵」
http://hiroshimaschoolyard.net/jp.html
【おすすめ度】
小檜山 歩
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