マキバオーに残された物語、世界へ 『たいようのマキバオーW 1』(つの丸)【Kindle・マンガ】

  マキバオーの続きの続き。 以前にご紹介した「たいようのマキバオー」の次の年の物語。ウォッカをモデルにしたような牝馬・ファムファタールが出てくる。 相変わらずの地方競馬の厳しさが描かれるだけじゃなく、なんで日...

クオリティの低い啓蒙ビデオや冊子よりも薬物使用禁止の啓発に役立ちそうなハードボイルド(かっこよさげ)サスペンス 『Cの福音』(楡 周平)【Kindle・本】

    クオリティの低い啓蒙ビデオや冊子よりも薬物使用禁止の啓発に役立ちそうなハードボイルド(かっこよさげ)サスペンス。 ほとんどの人が知ることのない(知る必要のない)薬物にまつわる社会の刹那的な物語...

ブックガイドではなく、個別の本と「本」に関する内田樹の語り 『街場の読書論』(内田 樹)【本】

  哲学者としてだけでなく、文章を書く学者としても有名な内田樹による本にまつわるお話たち。本にまつわるといいながらも、本にまつわらないお話もたくさん。 ブックガイドではなく、個別の本と「本」に関する内田樹の語り...

遠い昔に終わったマキバオーの世界の続きに入ることが出来る漫画『たいようのマキバオー 1』(つの丸)【Kindle・マンガ】

    ある年代には残っているだろうマキバオーの思い出を残した上で独立した物語としても十分に成立している「みどりのマキバオー」の続編。 個性あふれる競走馬同士の戦いだけではなく、地方競馬の厳しさなど、...

遺体には歯型も含めて人が生きてきた記録が残ることが伝わる3.11のルポ 『遺体―震災、津波の果てに』(石井 光太)【本】

  大量の死の中で何が残るのか。 希望のない中で残された者が懸命に生きた記録が詰まっている。日本人に意味のある記号となった「3.11」、東日本大震災に関するルポルタージュ。 地震と津波によって大混乱に陥り、予期...

在日韓国人のつかこうへいさんが韓国で祖国を探した先に見つけた祖国とは 『娘に語る祖国』(つか こうへい)【本】

  「国を愛する」とか「愛国心教育」、「国益のために」など語られる今だからこそ、読んで欲しい。1998年の本だけど、心に染みこんでくる。 自分にとっての祖国とは何か。 難しい問いのように聞こえるかもしれないけど...

猪瀬直樹と弘兼憲史が1991年に予言的に社会を切っていた 『ラストニュース(1)』(弘兼憲史)【Kindle・マンガ】

    どことなく日本がおかしな方向に進み出していた予兆を捉えているような凄さを感じさせるマンガ。作家だった頃の猪瀬直樹の凄さとどんな物語でも読む人を一定の力で引き寄せる弘兼憲史の凄さがつまっている。...

「四十を超え、多くの大人達は死ぬまでにもう一度燃えるような恋をしてみたいと考える」 『黄昏流星群(1)』(弘兼憲史)【Kindle・マンガ】

  人生の中で燃えるような恋って何回するんだろう。正直、そろそろ落ち着こうと思っている25歳の自分にとってはもうないものだと思うけど、そうじゃないらしい。 人は人生の終盤に差し掛かる頃に燃えるような恋をするらし...

「課長 島耕作」の弘兼憲史が犯罪の裏側の人と人の物語を描く社会派マンガ 『人間交差点(1)』(弘兼憲史)【Kindle・マンガ】

    今日も家に帰ってニュースを見ると何かしらの事件が取り上げられてるでしょう。誰が誰を殺したとか、誰が行方不明になったとか。 見ている人のほとんどは報じられる名前なんて覚えていなくて、流してしまう...