1つの既存のやり方が新しいやり方に上書きされる過程が丁寧に描かれている。
今では当たり前になったコンテナ輸送が始まり、全世界に普及するまでの物語。コンテナ船の最初の航海は1956年。今から60年ぐらい前に初めて海の上を渡ったコンテナは今では当たり前のものになっている。
普及するまでの道のりは平らではなく、様々な障害があった。コンテナの場合、すでに海上輸送が確立していたがゆえに既得権益との戦いにかなりの時間が割かれている。
加えて、コンテナ輸送が海上にこだわらない形であるがゆえに様々な方面との調整にも大きく時間を取られていることが見て取れる。新しい何かを他の人達にぶつける時に発生する事柄を想像し、どう対処していくのかを学ぶことが出来る。
でも、それだけじゃないのがこの本の面白いところ。
コンテナを世界に広げた立役者として紹介されるマルコム・マクリーンがコンテナ事業に参加した頃の会社の様子が描かれている。
スピーディーに物事を決め、各々がやるべき事へ速いスピードで取り組んでいる様子はベンチャー企業にとってはもちろんのこと、大企業にも求められることでしょう。
コンテナはコモディティとなったのか
マクリーンがコンテナと共に送った人生を読んでいくと、これからのコンテナの可能性と限界点が見えてくる。物を運ぶ手段を劇的に改善したことによる利便性の向上は大きい。
コンテナのやり方が出まわってしまった後のライバル会社との差異化が難しいことが伝わってくる。じゃあ、次はどうするのか。コンテナに関する物語はこの一冊の中で一旦落ち着いているので、コンテナの次の変革のヒントを持っていければいいでしょう。
【手に入れたきっかけ】
昔から気になっていたこの本がKindleキャンペーンでセールをしていた際に購入!
【オススメ度】
★★★★☆
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小檜山 歩
コンサルタント : 日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。
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