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ごった煮の船は清宮海斗を中心にここではない星へ向かう。「NOAH 2019年11月3日@両国国技館 NOAH the BEST 2019~美学のある闘い~」

 

新日本プロレスを追いかけて業界ナンバー2の地位を目指しているプロレスリング・ノアの年間最大のビックマッチに行ってきた。昔は頻繁に両国国技館で大会を開いていたが、ここ最近は一年に一回開かれればいいぐらい。三沢光晴の時代にNo.1にまで上り詰めたその座は棚橋弘至と新日本プロレスによって奪われてしまい、今では2番手争いの最後尾あたりにいる。

派手な演出と若きスターの台頭で盛り上げるのは内外から新日本プロレスのコピーと称されることもあるが、似て非なるものを感じさせるのは藤田和之から百田光雄まで受け入れる懐の広さがあるからだろう。ここ最近は赤いパンツの頑固者である田村潔司までも取り入れようとしている。わかりやすさを優先順位の最上位に置こうとする新日本プロレスに対して、ゴタゴタだったり歴史を背景にプロレスを紡ぎ出すのがNOAHであり新日本プロレスと比べてごった煮感を感じさせる。

私自身もNOAH観戦は丸藤正道20周年記念大会を除くと2013年にまで遡る。WWEに行く前のKENTAがGHCヘビー級チャンピオンで今となっては2人とも新日本プロレスにたどり着いているザック・セイバーJr.と石森太二のジュニアヘビー級選手権試合があった大会以来の生NOAHだった。

初、ディファ有明!初ノア!「DEPARTURE 2013 ~13年目の夏~」。2013年8月4日

方舟の天才が見せた新日本プロレスにはないプロレスの集大成「丸藤正道20周年記念大会「飛翔」@両国国技館 2018年9月1日」

 

他の興行でチラッと見た清宮海斗のちょっとした可能性が少しずつ形になっているのかもしれないが、棚橋弘至、オカダ・カズチカぐらいにまで団体を盛り上げることができるのかまだわからない。

今回の大会全体を通してお客さんを巻き込むプロレスのわかりやすさだったり上手さは新日本プロレスには勝てていないかもしれないが、百田光雄や三沢光晴の最後の対戦相手である齋藤彰俊から感じる歴史や桜庭和志、藤田和之、その先の田村潔司も関わるのかもしれない総合格闘技とUWFの流れまでも巻き込んでいるのは昔の新日本プロレスらしさを感じる。丸藤正道とグレートムタの毒霧3発と消化器と火炎攻撃が出てきた試合は対極であったハッスルのエキスまでも取り込んでいるように見える。

フリーの選手も集めて両国を7~8割埋めることができたのは昔のノアと比べるとなんとか盛り返してきているようにも感じるうえ、全日本プロレスよりは勢いがあるのかもしれない。新日本プロレスのG1クライマックス決勝戦と比べると小さいかもしれないが、谷口周平の覚醒、稲村愛輝の粘り、清宮海斗のドロップキックの盛り上がりは新日本プロレスと勝るとも劣らなかった。マサ北宮の見たことのないダブルインパクトのミスはまあ、ご愛嬌でしょう。

ただ、翌日・翌々日に控えたDDT・大日本プロレスの方が盛り上がっているのかもしれない、現地で確かめられるので感じてみようと思う。

オープニングの曲は天気の子の「グランドエスケープ/RADWIMPS」で、「彼が目を覚ました時連れ戻せない場所へ 」を清宮海斗の存在に重ね、「夢に僕らで帆を張って」からのノアの方舟を連想させ、「ここではない星へ行こう」で清宮海斗の発言である「新しい景色」を重ねる。ポップな歌詞を今の団体と重ねるわかりやすさは煽りVTRにJ-POPを使っていたスターダムを思い出させる。新日本プロレスとは似て非なる力を伸ばしていけるのか。試合づくりの上手さが光った拳王と中心である清宮海斗の他に2人必要なのかもしれない。1人はマイケル・エルガンでいいのではないかと思うぐらいにコンディションがよかった。

人生初女子プロレス観戦。スターダムは”ちょっと昔からのプロレスファン”にも刺さる要素あり!「スターダム 2018年7月16日@後楽園ホール BRIGHT SUMMER STARDOMvsRISE日米交流戦」

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。