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物事をよしとすることの価値 「PSYCHO-PASS サイコパス」・第13話「深淵からの招待」

【あらすじ・感想】

槙島遭遇後の時間へ。ドミネーター無反応を報告。公安局局長の禾生はそういう存在を知っていた。免罪体質者。殺人など、一般的にサイコパスで犯罪者として計測が出来るはずの人間にも関わらず、ドミネーターで処刑が出来ない相手のこと。

ただ、そのような存在を公にすることが出来ない。なぜなら、システムを維持することが出来なくなるから。システムは問題がないと認識されることに意味がある。問題があるシステムだったとしても、システムを運営している人間が問題がないように見せることで秩序は保たれる。しかし、そのシステムの問題によって生じた被害をどうするのかについては答えられない。

槙島聖護に対しては極秘操作を行うことになる。そのために常守がメモリースクープで槙島聖護のモンタージュを作ることに。ただ、メモリースクープは記憶の追体験。友人が目の前で殺されたシーンを強制的に体験させること。危険。でも、行う。

メモリースクープは成功するがショックを受ける。ただ、すぐに正気を取り戻し、サイコパスも回復する。

なぜなのか。征陸によると世の中をよしとしているから。

そして、宜野座と征陸の親子関係も明らかになる。

【そして、奴隷は見捨てられる。気付かないといけない。】

コンピューターだけで完璧に動くシステムはない。だからこそ、システムには人間が携わる。IT系のシステムも人を動かすシステムも共通のこと。

人間が意図を含めて動かし、末端はそのシステムが完璧だと思い続けて動かすことによってシステムは完璧であり続ける。

そして、多くの人はシステムの奴隷となる。システムを動かしている人たちも奴隷となる。自分たちがシステムを動かしているようで、システムに動かされているだけ。

現実社会も。特に日本はそれが顕著であるように感じる。未だに出る杭は打たれる。体育では整列をしないといけない。別にバラバラでも集まればいいのになぜ、整列をしないといけないのか。それには何かしらの力が働いている。支配する側と支配される側の力関係がある。

このシステムが厄介なのは、そのシステムの中でもほどほどの幸せを得られるから抜け出さないこと。学校・親・社会が与えてくれる枠組みの中で頑張ればほどほどの幸せを享受できる。充実した仕事、幸せな家庭、たまの旅行。ほどほどに幸せ。でも、このシステムを作った人はもっといろんなものを得ていて、システムの奴隷は搾取されていることに気付かない。

システムの中で頑張ってほどほどの幸せを得ることが出来ているのはエリートサラリーマンとか、ほどほどにお金をもらっているサラリーマン。ほどほどに頑張ればそれなりの幸せが保証されている。ただ、もっといろんな物を得ている人たちが確かにいる。その人はシステムを動かしている人たち。

ただ、このシステムがほころびを見せ始めている。日本国内ではそのシステムが維持できなくなる。システムの支配者たちはギリギリまで搾取を行い、逃げ出す準備をしている。そして、奴隷は見捨てられる。気付かないといけない。そんなメッセージが込められているのかもしれない。

【物事をよしとすることの価値】

常守は物事をよしとしているから犯罪係数が上がらない。

物事をよしとしているとはどういうことなのか。身の回りの出来事を全て認め、その上で自分の出来ることを行うことではないか。

多くの人は身の回りについて、イライラすることがある。

あの人嫌い、なんでこんなことになってしまったんだ、もっとうまくいくはずなのに。

そのことについて拒否反応を起こすとこんな気持ちになる。ただ、物事をよしとすればそうはならない。起こったことを受け止め、自分の出来ることをする。それだけ。でも、受け入れることと、出来ることを常に行い続けることは簡単じゃない。それが出来ることには大きな価値があり、人が生きていく際に大きな力になる。ここは日常で意識していいこと。

起こったことを受け止め、自分の出来ることをやる。

【内容メモ】

「悪くなってますね。」犯罪係数7ポイント悪化の宜野座。親しい人に相談を。父に特殊な事情がある。

#13「深淵からの招待」。公安局局長・禾生 壌宗(かせい じょうせい)に報告する宜野座。槙島にドミネーターが反応しなかった。シビラの判定を疑う報告を行う。

最大多数の最大幸福が実現された社会。何が支えているのか。シビラシステム。人生設計、欲望の達成、いかなる選択も思い悩む前にシビラの判定。豊かで安全な社会。シビラに間違いは許されない。ただ、システムが完全なら、人の手で運営する必要はない。でも、刑事課がある。いかに万全なシステムでも安全策が必要。応急処置も含めて。システムとは完璧なるものとして成立。システムは完璧に機能するよりも完璧だと信頼され続ける方が重要。

機密情報。標本事件の犯人は犯罪指数の計測なしに身柄が確保されている。証拠があるのにドミネーターが反応しないケースがある。それが免罪体質者。200万人に1人。藤間 幸三郎は行方不明。何かがあったことを示唆。

人々はシステムの末端を通してのみ、システムを理解する。

報告書を変える。槙島を捉える司令。常守と狡噛。コンラッドの『闇の奥』を読む。

ゆきちゃんの葬儀は行われた。「私達、これでようやく1つの目標を一緒に追いかけられるようになりました。」

常守がモンタージュ。メモリースクープ。記憶にある資格情報を脳波から直接映像化。槙島の姿を再現。危険。記憶の強制的な追体験。目の前で友人が殺された経験を。次は仕留めるために。狡噛からの電話に出ない。メモリースクープは犯罪係数の悪化もありえる。ただ、情報のためにモンタージュ。

「犯罪係数が上がっても構わない。私は執行官になっても槙島聖護を追い詰めます。」怒る宜野座。大丈夫と常守。

脳内の信号を増幅。思い出と殺されたシーンが交互に。パニック。ビンタで起こす。サイコパスは大丈夫。回復のきざし。なぜ、そこまでして…。

メモリースクープは成功。槙島の姿がはっきり。フェイスレコグニションでカメラに写ったらすぐに連絡をするように手配。

「常守はいっぱしの刑事」

宜野座が征陸を呼び出す。常守のサイコパスはなぜ、濁らないのか。

犯罪係数を恐れていない。物事をよしとしている。世の中を許して、認めて、受け入れている。ただ、流れに身を任せているわけじゃない。刑事という仕事の意味と勝ちを疑うこと無く信じている。昔は征陸も信じていた。ただ、ドミネーターを渡された時、腹が立ち、サイコパスも雲っていった。

やはり宜野座と征陸は親子。

あんたはシビラを否定し、シビラはあんたを否定した。そして、新しい秩序が生まれ、この国だけが立ち直った。仕事に疑問が生まれたら落とし穴が待ってる。

「とうとう面が割れちゃったね。後がないよ、聖護。」(公安局局長・禾生 壌宗)

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。