学校、会社、友人関係、遊びなどを選ぶ行動は自分で選んでいるのか、それともシステムの上に乗っているだけじゃないのか。「PSYCHO-PASS サイコパス」・第11話「聖者の晩餐」まとめ

小檜山歩

12年前

重いお話。改めて、仕事帰りの電車で見るものではない。ただ、1人で夜、自分の部屋で見るものでもない。大ボス槙島とヒロイン常守が深く遭遇する。

ひとまず、狡噛VS泉宮寺との闘いは終わった。そして、その試合の処理はあまりにも強烈だった。大ボス槙島は常森の友人を連れて常森の目の前に現れる。犯罪指数は1000を超えて、殺そうとするドミネーターを妨害電波で邪魔でもするのかと思っていた。ただ、違った。大ボス槙島はドミネーターでは裁けない。友人を殺そうとしている間も犯罪係数は下がっていった。首を切り裂く直前の犯罪係数はゼロ。そして、友人は殺される。

心を握られた気分。世界で正しいとされているシステム、先端の科学が人を殺し、人殺しを育てる男を裁けない。裁けるとしたら、昔ながらの猟銃。槙島が育てた“犯罪者”の事件は全て解決。ただ、人間の首を切り裂くけど、システムで悪と判断されない男との深い闘いが見えて来年へと続いていく。前半の山場だったろう11話。

悪とは何か。システムに全ての判断を任せるようになった人間が、自らの判断を迫られた時、どうするのか。この巨大なテーマと後半は向き合っていくのだろう。

学校、会社、友人関係、遊びなどを選ぶ行動は自分で選んでいるのか、それともシステムの上に乗っているだけじゃないのか。テレビの前の人間、この社会に生きている人間に問うている。

狡噛の捜索へ。何がなんだかさっぱり。ただごとじゃない。「こうちゃんのあんな声、初めて聞きました。」OPへ。#11「聖者の晩餐」。ドローン侵入。ドミネーター（銃）を手に入れる。デストロイ・レコンポーザー。敵の武器を把握。

昔を語る泉宮寺。次の瞬間には肉の塊となっていた友人。血しぶきを頭から浴びた。いい思い出。生きているという実感を痛烈に感じた時。そして、今も。機械仕掛の心臓に熱い血のたぎりが蘇っている。ここで逃げるのは残酷。今はデュエリストに。直接対決へ。撃ちあった。第９が流れながらの闘い。犯罪係数328。そして、倒す。セラピーを受けろ。倒れた狡噛。槙島がゆきを連れて行く。狡噛を見つけた常守。槙島を追いかける常守。

100人以上死んでいる狩場、ゲームだと気付く。連絡はついたが、ゲームは続行。槙島と常守の遭遇。

槙島が執行対象にならない。犯罪係数79.2。サイコパスが上昇しない。「人が自らの意志によって行動した時のみ、勝ちを持つ。何をもって犯罪と定義するのか。」犯罪係数が50以下。「科学の意思はついに、魂の秘密を暴くに至り、この社会は激変した。ただ、その判定には人の意思が介在しない。君たちは一体、何を基準に善と悪をより分けているんだろうね。」

「僕は人の魂の輝きを見たい。それが本当に尊いものだと確かめたい。だが、己の意思を問うこともせず、ただ、シビラの信託のままに生きる人間たちに果たして価値はあるのだろうか。」目の前で友人を殺そうとする槙島。犯罪係数は下がっていく。ドミネーターは使えず、撃てるのは目の前にある昔ながらの銃のみ。犯罪係数がドンドン下がっていく。「なぜだか、僕にも分からない。子どもの頃からサイコパスは真っ白。」

健やかなる聖なる人の行いだと判定。えぐい。君たちでは僕の罪をさばけない。止める者は自らの意思で人殺しになれるものだけ。「人差し指に命を重みを感じるだろう。傀儡であるうちは決して味わえない。」犯罪係数20。「デカルトは決断が出来ない人間は、欲望が大きすぎるか、互生が足りないと言った。さあ、殺す気で狙え。」

外してしまう。

「とても残念だよ。キミは僕を失望させた。だから、罰を与えないといけない。己の無力さを後悔し、絶望するがいい。」喉元にナイフを突き立てた男が犯罪係数0。友達が目の前で殺される。

気がついた狡噛。常守は後悔。狡噛に報告。「ドミネーターで裁けません。」