総合職共働き人事コンサルのブログ

人事オペレーション高度化のためにトップの宣言のうえでの人事業務エキスパート中心の根本からの改善活動が必要なのかも

『企業競争力を高めるこれからの人事の方向性』(労務行政研究所)の中の「激変する環境下において求められる人事部の変化」(小野隆)というテーマがあり、その中でこんなことが書かれている。

人事部は、オペレーション業務に約80%の工数を費やしており、機能発揮が十分にできていない

『企業競争力を高めるこれからの人事の方向性』(労務行政研究所)
「激変する環境下において求められる人事部の変化」(小野隆)

人事部は経営層、ビジネスリーダー、従業員から「人事領域における高度化された役割・機能発揮を期待」されているにもかかわらず日常業務に忙殺されているという日本の人事の現状が端的に指摘されている。

自分自身の実感としても確かにその通りで、業務について人事の方と話している中でなぜここまで複雑なのかと感じるような手続きルールであったり、個別の従業員の方からの規定に載っているような同じような質問を何度も異なる人に返すなどに時間を費やしていて人事の戦略はもちろん、通常業務の改善についてもうまく進んでないということが頻発しているように見受けられる。

昨今はDX活用やお金をかけてアウトソースするなどして軽減していくことが一般的な解決策として語られることもあるのだけど、それ以上に今ある業務が本当に必要なのかを見直すだけでも変わっていく。見直す際に自分の効率性を高めることだけでは改善は難しく、会社として人事の役割を変えていくことから従業員が手続きについて人事に依存しすぎないような仕組みを目指すことを周知することも必要になってくるんだろう。

人事が従業員に慮りすぎない風土にすることを宣言する必要がある

複雑な給与計算のルールやなんでこんなに多くの人が承認する必要があるのだと感じるような継ぎ足しの内規も足かせなのだけど、人事が従業員をおもんばかりすぎている風土を変えていかないと厳しい部分がある。「人事のサイトに載っていることでも質問はできるだけ丁寧に返さないといけない」とか「ここまでやってあげたほうが喜ぶはず」などいい人が時間をかけてやることが正しいという人事内の風土があって実際のコスパと見合ってないと感じるような作業については減らしていくことも考えていく必要がある。

もちろん従業員の反応も考慮しないといけないので、一概に全部を機械的に処理することができないのだけど程度問題としてもう少し軽くできるのではないかと感じることも多い。その上で業務を減らした後にどうするのかということを考えないといけない。

人事オペレーションエキスパートのスキルアップを考える

人事の効率化が進まない理由の一つに現場での業務がなくなったあとにその業務をやっていた人が他の業務ができるかと言うと難しい可能性があることがあげられる。大企業には20年から30年ほどずっと異動や給与計算の定められた業務を回してきた人がいて、その業務を変えてしまったり効率化したり、外出しすることによってなにをすればいいのかがわからなくなる人も出てくるかもしれない。そんな人にどうスキルアップをしてもらうのかを考えないといけない。

人事業務のトレンドとしてBPOなどの外注が挙げられるのだけど、外注することの注意点として人事のプロセスであったりルールを決めた上で外注しないといけないので、言われた通り・今まで通りやっていればよかったことからどうすることがベストなのか、なぜそうなっているのかを説明できないといけなくなってくる。ここが不十分だと実際に手を動かして業務をやり続けたいと思ってしまうのかもしれないけど、これからの人事のオペレーションエキスパートは決まっていることがなぜそうなっていて、これが現状を考えた時に最適なのかを考え続ける訓練が必要になってくるだろう。

もちろん、一朝一夕にできることではないのだけど、80%の工数がかかっている業務が過去の蓄積だけで動いているという現場にメスを入れて改善していくことは人事がオペレーション以外の業務に時間を費やすことができるようになるだけでなく、人事オペレーション自体の最適化、ひいては足元が高度化された人事になっていくことに必要不可欠だろう。ハンドリングはものすごく難しいのだけど、こんな取り組みをしたら面白い気がするなぁと思ったりしている。

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。