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何が正しいのかを自分ではないものが決めてくれる社会を描く 『監視官 常守朱 1 』(三好輝)【Kindle・マンガ】

 

何が正しいのかを自分ではないものが決めてくれる社会を描く。

名作アニメの1つになったと勝手に思っているSF群像劇のコミカライズ。

アニメにどっぷりハマったこともあってマンガもやっぱり面白い。ストーリーはアニメとほぼ変わらないけど描かれていなかったシーンも追加されている。

シビュラシステムと呼ばれるシステムによって将来を決められ、生きていく社会。シビュラシステムによる適性検査は職業だけでなく、この社会に適正かどうかまで判断し、社会に適性がないと判断されると社会から隔離された場所に送られたり、社会から消滅させられるような社会。

そんな社会でシビュラシステムの指示の下、シビュラシステムに犯罪者と判断された人たちを捕まえたり殺したりする仕事を担う公安に配属された新人監視官、常守朱を中心とする物語。

ホログラムによって身を着飾ったり、部屋をデコレーションしたり、アバターと会話してニュースを見たりして生活する。

でも、車は空を飛んでいない。そんな有り得そうな未来の描写が印象的。この物語で大きな鍵となる男である槙島聖護が冒頭で語ったこの言葉を中心に”理想の社会”が試されていく。

ジョージ・オーウェルは言った。<思考犯罪>は死を伴わない。<思考犯罪>が即ち死なのだ。私は問おう。己の意思を支配され、たたシビュラの信託のままに生きる人間たちに果たして如何なる価値があるのか。私は視よう。虚飾に覆われたこの街の誰も知らないはらわたの中で繰り広げられる死の遊戯、人の魂の輝きをーー

 

【手に入れたきっかけ】

Kindleお試しキャンペーン!

【オススメ度】

★★★★☆

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。