過去に戻って今を変えたい。でも、過去に戻ったからといって今を変えることは出来るのか。
過去に戻って今を変えたい。24才になった今でもこの時に戻ってやり直したいと思うことはたくさんある。やり直したいことはやっぱり、人間関係で、恋愛、クラスメイト、チームメイト、親友とかでしょうか。こうしとけば良かったって思うことがたくさんある。あとは、勉強しておけばよかったとか、もっとちゃんとスポーツをやっておけばよかったとか。
過去ではなく、今を見るべきと語る人もいるでしょうが、「昔は良かった」のノスタルジーに浸っている訳ではないので、過去に思いを馳せて反省するぐらいいいでしょ。というか、この漫画を読んでいると、否が応でも過去に引き戻されてしまうんです。
大人になった頃に母親が犯人に殺されるという最悪な結末を迎えた少年の頃の事件。それをなんとかするためなのか、どうなのか、主人公は小学5年生だった昭和63年に戻る。そこで繰り返される思い出。でも、同じように過ごしていたら同じ結末しか迎えない。
何かを変えようと、小学校生活をやり直す。記憶は残ったまま。
変えられることもあった!いろいろ頑張ったおかげで、いろいろ変えられた!飛び跳ねて喜ぶ。でも、変えられないこともありそうで…。小さな波の向きを変えることは出来た。大きなうねりを変えることまで出来るのか。ましてや、小学生の小さな力で。
過去に戻って今を変えたい。でも、過去に戻ったからといって今を変えることは出来るのか。
タイトルの「僕だけがいない街」に近い作文が出てきた。その作文を引用してみよう。
「私だけがいない街 雛月加代
今よりもっと大きくなって一人でどこへでも行けるようになったら、遠い国に行ってみたい。遠い島に行ってみたい。だれもいない島に行ってみたい。つらいことも悲しいこともない島に行ってみたい。
島にはおとなもこどももクラスメイトも先生もお母さんもいない。その島で私は登りたい時に木に登り、泳ぎたい時に海で泳ぎ、眠りたい時に眠る。
その島で私は私だけいなくなった街の事を考える。こどもはいつものように学校へ行く。おとなはいつものように会社へ行く。お母さんはいつものようにごはんを食べる。
私は私だけがいない街の事を考えると、気持ちがかるくなる。
遠くへ遠くへ行きたい。」
これがどう物語と関わってくるのか、関わってこないのか。物語は進む。
【引用】
俺は「演じてる」。人に好かれたい。友達が欲しい。人と接するのが苦手な自分に何が出来る?って考えたら、俺の方がみんなの事を好きになろうって思ったんだ。そしたら…演じるのが少し楽になった…
こうありたいと思う自分にいつかなれるのだろうか?この時代の自分に何か出来る事は本当にあるのだろうか?自分にとってのハッピーエンドは本当にあるのだろうか?とにかく口に出して行ってみよう。俺は未来を変えたい。
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小檜山 歩
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