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荒井優希の今を引き出して、伊藤麻希がタイトルマッチをやりきった 東京女子プロレス「GRAND PRINCESS ’22」インターナショナル・プリンセス選手権試合 伊藤麻希 VS 荒井優希

デビューして1年足らずであり、現役アイドルを挑戦者として迎えるタイトルマッチはやりにくい物があったかもしれない。伊藤麻希は煽りVの中でもいつもとは違う、自分が応援されていない、主役でない中で戦うことになることに触れていた。 その上で、逆風の中にいる自分が好きだと語っていた。そんな中での東京女子初の両国国技館大会でのタイトルマッチを迎えた。

伊藤麻希ワールドで攻めて王者としての風格を見せる

いつもなら伊藤ちゃんは応援されることが多い。アイドルをクビになり、デビューも早いわけではなく、小さい中でも存在感を見せてきて成り上がってきたということを見ている人は知っていてなんとか買って欲しいという思いが会場を包むことがあり、それが伊藤麻希のプロレスラーとしての大きな力なんだろう。2021年に団体内のトーナメントを優勝して、大田区総合体育館大会のメインイベントに立つまでの流れは伊藤麻希が主役の物語だった。

ただ今回は荒井優希が主役になっている。SKE48のアイドルであり、恐らくグッズの売り上げもとんでもない(すぐにポートレートが売り切れる)選手だからこそ先輩レスラーとして戦いを刻み込んでいくことで王者の風格を見せていった。

フィニッシュへの布石として場外でのボディスラムなどで腰を中心に攻めつつ、ここ一番での張り手も見せていく。重みのある攻めは伊藤麻希らしさたっぷりだった。

荒井優希の成長は確かに見せた。ここの先もまだ戦っていく

かかと落としであるFinallyに加えてサソリ固めも見てる人を惹きつける技になってきていて、キャリア1年で二つの技を荒井優希にとってユニークな物に仕上げていることには大きな価値を感じさせる試合だった。もちろん、得意技をぶつけるだけで勝てるほど伊藤麻希は簡単な相手ではない中で、プロレスらしい感情をぶつけるエルボーをぶつけて食らいついていく。この時点でできることを全て出し切った上で敗れた。一つの区切りとしてやり切ったと思っている中でエンディングでこんなセリフを発していた。

プロレスをもっともっと頑張りたいです。これからもよろしくお願いします。

東京女子プロレス初の両国国技館で自身初のシングルのタイトルマッチを戦ったという一区切りでやめることもあるのではないかと思ったけど、そんなことはなかった。女子プロレスという寿命の短い職業であり、アイドルと兼業ということでそこまで長くはいらないのかもしれないけどまだまだプロレスで戦っていくという言葉は荒井優希がいつかシングルのベルトを巻く期待を感じさせる。

主役は荒井優希だったかもしれないけど、王者のプロレスで受け止めた伊藤麻希の凄さを感じさせたタイトルマッチだった。 

YES! WONDERLAND 2022~夢の翼を広げ~ | DDTプロレスリング公式サイト

https://www.ddtpro.com/results/18016

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。