面識があるわけでもないし試合も生では見たことないけど、これからプロレスタイで光を放つ存在になると感じさせていた木村花選手が亡くなってしまった。
理由はわかっていないけど、テラスハウスに出ており、ネット上でアンチに叩かれたことによって悩んでいた事が一つの原因として挙げられている。人間が人間を叩いている生々しい書き込みを目にすることで暗い気持ちになることがある。政治の話だったりは興味があって見ることもあるし、どちらかと言うと今の政権が好きではない自分がいるので、安倍政権を批判するツイートはリツイートしてしまうこともあるけど、行動や政策ではなく、相手の人格を攻撃していたり、言葉遣いが荒すぎると怖くなってしまう自分がいるのも確かで、その気持ちは失わないでいたいと思う。ネトウヨ・ネトサヨともに主観的な人間攻撃に走ってしまう記述をみるとなんでそんなことを書いてしまうのかと恐ろしくなる。
もちろん政治だからいいというわけでもないが、自分の生活に直接関係のない芸能人を個別に批判するということの楽しさが自分にはわからない。日常のイライラのはけ口にしているのかもしれないけど、相手は生身の人間で気持ちを持っているということかどっかに忘れ去られていってしまっているのかもしれない。テレビに出てるからいい、芸能人だからいい、そんな自分の中の理由付けをしたうえで他の人も同じようにコメントを書いているからという理由で憎悪を浴びせ続けたことによって命が失われた可能性がある。
ナチスドイツがユダヤ人を敵と定義し、指針を示し、凡庸な官僚でしかなかったアイヒマンが指示をすることで一般大衆がユダヤ人を迫害し、現場では大量殺人が行われた。それと似た事件だったように思えずにはいられない。
昔はこんなことが起こらなかったと断言することはできないし、起こったタイミングもあるだろう。でも、ツールの普及によって誰しもが手軽に人を傷つけるメッセージを簡単に送ることができるという今の状態がなにかをおかしくさせている。それが目に見えるコミュニティの中に侵食している怖さがある。
大きく取り上げられているのは一人の若い人が亡くなったということに過ぎないのかもしれないが、相手を想像できない気持ちを助長する仕組みによって傷ついている人が多くいるのも事実なんだろう。心を強く持つとか、見ないようにするとか受け手側の姿勢について語られる前に、憎悪をぶつける発信者が多く生まれている現状をどう変えることができるのかをまずは考えていきたいと思わせる。
検察法改正が芸能人の発信によるうねりで大きく変わったように憎悪がSNS上で溢れることについても動いてほしいと切に思う。自分ができることが少なすぎて歯痒い気持ちになはるけど、できることをやっていきたいと思う。
小檜山 歩
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