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ITプロジェクト全体を見るようになった時の手ほどきの参考になる『失敗しないITマネジャーが語る プロフェッショナルPMの神髄』(室脇慶彦)

 

中規模のITプロジェクトで仕事をするようになって5年以上が経っている。そんな中でこれまでの経験をもとにケース・バイ・ケースでの判断をしてなんとか現場で生き残っているのだけど、プロジェクトを経験することでのスキルアップするだけでなく、体系的なプロジェクトに関する本を読むことでスキルアップしていくことも必要だということで何冊かプロジェクトマネジメントに関する本を読んでみた。

まずは大規模PJ導入をいくつも経験してきたように見受けられる筆者の本から。中規模以下のプロジェクトは燃えず、炎上プロジェクトのほとんどが大規模であるというのは確かにその通りだと感じる。大規模で一気に入れるという考え方自体が時代に合わなくなってきているのか大規模のプロジェクトを作ることがスキル上もリソース上もどの会社も難しくなってきているのか中規模や小規模のプロジェクトを繰り返し実施することを基本とする流れもあるけど、プロジェクトというものであれば同じように考えられるだろうということで参考になる内容になっている。

最初井やるべきこととして標準化があげられており「標準化が不要だと言う人はPMにはなれない」とまで言い切る。標準化をすることによって成果物の品質を確認することができるからという背景がある。設計書だけでなく、PGMの標準化も当たり前のことながら不十分になることもあるので、改めて気をつけないといけない。

次にこれはと思ったのかQCDに関する考え方であり「Q>D=C」という式が出てくる。「プロジェクト計画策定後は品質中心でマネジメントを実施し、コストは見ずに納期だけを見なさい」ということである。納期を守ることができたのにコストオーバーしたというプロジェクトはないというところから納期を守ることでコストが守られるということになるという考え方だった。

PMのやることとして、 PJのストーリーを考え、プロジェクト計画を作成し、課題へアプローチしつつ迷ったらお客さんへアプローチする。そして、毎月の月末に3ヶ月先のプロジェクトをイメージしてリスクを洗い出すというのは確かにやっておくべきなのだろうと感じるし、やっていきたいことだなと。

プロジェクトマネジメントに関する話が多くある中でシステムの作りについても触れられるのがこの本の説得力を増しているようにも感じる。PMはシステムの作りについても踏み込んで理解しておかなければならないということを伝えている。システムの美しさにこだわったせいですべてをパラメータ設定で賄うという考え方にしたことでテストケースが膨大になってしまうぐらいなら実用を考えてパラメータ設定ではない形で決め打ちで設定してしまうのも答えの1つであるというのには確かにと。

最後に出てくる責任の話がPMを表していた。PMはプロジェクトの中で唯一何も成果物を作らないが、責任は自分にあるという存在であり、そのことに向き合って仕事をしないといけないというとのこと。孤独だなぁと思うのだけど、いつか担うことがある時に、この本を読み直して挑戦してみたいと思わされる。

【手に入れたきっかけ】

ITプロジェクトマネジメントについて勉強しないとと思ったので

【オススメ度】

★★★★★

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。