失われた20年、ロストジェネレーションたちの煌きが垣間みえた。
13日からお盆休みのため、たまにはってことで美術館に行ってきました。その第一弾が東京都現代美術館。丁度、夜に東京駅で呑みの約束があり、家からの通り道の木場駅から近いということで、チョイス。
思ったよりも駅から遠かった(徒歩10分ほど)のと、昼間だったので汗が噴き出してきたのが残念でしたが、行った価値があった。
他のエントリで2つの特別展については紹介しますが、最も響いたのが常設展。
美術館が出来てから20年を記念しての特別展。開館された1995年とその後に焦点を当てる展示。最初に1995年ぐらいの作品を紹介することで、当時の雰囲気を体に覚えさせ、その後、 1995年以降の作品を感じさせる。
社会学なる分野を大学時代に専攻していた自分にとって、1995年は切っても切れない年。地下鉄サリン事件に阪神・淡路大震災。この2つの事件は日本を変えた。いろんな所で言われていることだけど、事実なんでしょう。
他にも郊外の風景や厳しい目線の子どもなどの展示で時代を表す。特に郊外の無場所性・無時間性なるものは何かを変えたんだと感じる。それは変わらない日常なのかもしれない。そんな変わらない日常をどう生きていくのか。
世間、大人を信じることが出来ないロストジェネレーション達が現実とどう折り合いをつけるのかが、1995年以降の作品から感じられる。1989年生まれの自分も含めたロストジェネレーションの煌きを感じ取るとともに、1994年以前への想像が出来ない自分にも気付かされる。まるで、1994年以前を生きていないかのように。
会社にいると、30代と20代前半から中盤の人の間に何か大きな違いがあるように感じる。まだ、会社を信じる前提に立っている30代とはなっから会社を信じていない20代前半から中盤。互いに反目しあっているわけじゃないし、どちらが正しいとかの話ではない。違いがそこにある。
世間を信じることが出来ない人たちは自分の意志で生きる前提で会社にいる。あと、30年もすればこの人達が社会の中心となる。そうしたら、社会は今とは違う形になるんでしょう。はっきりと言葉に出来ないけど、意志のある社会になっていくのだろう。
展示とは直接関係ないけど、そんな事を強く感じさせる展示。美術館の常設展をナメてはイケないですな…。カルチュラル・スタディーズなどの社会学に興味がある人にとってはかなりオススメです!
【特に気になった作品キーワード】
「TOKYO SUBURBIA」(ホンマタカシ)
「人間性回復のチャンス」(島袋道浩)
「僕がお医者さんに行くとき」(小谷元彦)
「Notice – Forest: Madison Avenue」(照屋勇賢)
「録画した瞬間、それは覗きになった」(竹内公太)
郊外
ラブホテルUFO
幕張ニュータウン
ナニコレ珍百景
世紀末の始まり
2つの戦争
地下鉄サリン事件
阪神・淡路大震災
1995年
意志
・お気に入り度
★★★★★
開館20周年記念 MOTコレクション特別企画 クロニクル1995-
http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/chronicle1995.html
小檜山 歩
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