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本格的監視社会を体験できる空間は怖い。「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命」・「森美術館」【美術館】

 

入ってみるとカメラに映った映像が壁に投影されて人の顔がズームアップされる。人と人の関係性も表されて「範囲内」とか「遠く離れた」とかが出てくる。

過去のデータも蓄積されていて接触があった人同士がセットでデータとなってたりもする。

踊る大捜査線とか龍が如くに出てくる監視システムのコントロールセンターにいる気分になって最初は面白かったけど途中からあんまりいい気分がしなくなった。そんな「ズーム・パビリオン」という展示が印象的だったのは森美術館で行われている未来と芸術展。

技術の進歩がとてつもないスピードで進んでいくことでこれまでになかった考え方や形が出てくる。それを芸術というキーワードで集めている。

最初は新しい都市の形として二酸化炭素を出さないゼロエミッションエコシティや海上都市などの都市の形から始まって3Dプリンタ、AI、植物で作ったレンガなど技術の進歩による作品が並ぶ。人工的に作られた心臓によってすでに人間が持っている心臓を進化させようとする試みや赤ちゃんの体を矯正することで能力を上げようとする試みを人形の形で実体化させたりもしていく。

 

最後には倫理が問われていってSF小説の世界から諸星大二郎や手塚治虫の作品から問いを投げかける。そのラストの方にあったのが最初に紹介した「ズーム・パビリオン」で、確かになぁと。もう一つ倫理を問われる作品で印象的だったのが「倫理的自動運転車」で、自動運転に当てはめるアルゴリズムによって自動運転の行動が変わることを映像で示している。

 

10人を助けるためにトロッコのポイントを変えて1人を助けるかというトロッコ問題を現実の世界でも考えないといけない時が近づいている。それは技術だけでは困る未来であって、正しさを考えないといけないことを最後に実感させてくれる。

・お気に入り度

★★★★☆

未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか | 森美術館 – MORI ART MUSEUM

https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/future_art/

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。