総合職共働き人事コンサルのブログ

日本の宗教観が生死を前にした時に深められる。『黄砂の籠城(下)』(松岡圭祐)

扶清滅洋を唱える集団に囲まれ続けて今日も明日も籠城することになってしまった多国籍な皆さま。

命を失うかもしれない、命が失われる現実を目の当たりにして欧米諸国の人たちは日本人の死生観を問う。

時代は武士道真っ只中の時期に日本人の中でも主人公の2人である櫻井と柴の間で意見が異なる。

なぜか武装し始めた敵を見て更に問われていく。なにが正しいことなのか。死生観は宗教観につながり、死を恐れるか恐れないかが異なる現実を見た上で生に執着する人をバカにしてはいけないと櫻井を注意する柴の姿が違いに正しく向き合う方法だと感じさせる。

日清戦争後のできごとであり、日露戦争とつながるミクロな話もありつつ、現代に繋がる友好と対立の生まれかたを感じさせてくれる。

【手に入れたきっかけ】

他の小説を読んでいた松岡圭祐が歴史小説を書いたということで気になって。

【オススメ度】

★★★☆☆

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。