総合職共働き人事コンサルのブログ

10周年記念マッチ② 岩谷麻優VS世志琥の「歴戦」『レック Presents スターダム10周年記念~ひな祭り ALLSTAR DREAM CINDERELLA~ 2021年3月3日/スターダム』

この大会のベストバウトは決めることはできないのだけど、観客が一番期待していた試合はやっぱりこの試合だったのではないだろうか。リング上での戦いがエスカレートしてしまったことによってプロレス史に名を残すような事件の中心にいた世志琥選手がとうとうスターダムのリングに帰ってきただけではなく、同期であり、唯一スターダムのリングに残っている岩谷麻優選手とシングルマッチを戦う。

プロレスは試合だけでなくそこまでの物語を楽しむものだと思っているし、そんなプロレスの魅力がバッチリ詰まっていた。

女子プロレスを見るようになる前に一度だけこの二人の試合を見たことがある。2013年に行われた今は亡きWRESTLE-1の旗揚げ戦で唯一、女子プロレスの試合をスターダムが提供していた。 その頃は女子プロレスを生で見たことがなかったのであまり分からなかったけど、世志琥選手の存在感は際立っていた。戦いという意味では男子プロレスには負けてないと思ったのか、女子プロレスも見るようになったきっかけだったのかもしれない。

拝啓、武藤敬司社長。あなたが見せたかったプロレスはボブ・サップのケツですか? WRESTLE-1旗揚げ戦観戦記

そんな二人が本当に久しぶりにリングで向き合い、シングルマッチをするということの期待感が武道館に溢れていた。岩谷麻優選手のイメージカラーである青に合わせたいきものがかりの「ブルーバード」に乗せたスターダムでの10年間を振り返る煽り V から涙が溢れ、入場へ。

気合が入っていながら、少し緊張しているような表情の世志琥選手の表情は様々なことを思わせる。ロープを上げて少し会話をするのは女子プロレスのリングに世志琥選手を引き戻した高橋奈七永選手で、その関係性もドキドキさせてくれる。

岩谷麻優選手はマスクで表情があまり見えなかったけど、武道館を楽しんでいそうないつもどおりの入場だったかな。

試合前の握手は岩谷麻優選手から手を出すものの、世志琥選手らしい中指を突き立てて応酬。指は触れていないにも関わらず二人の関係性に対する周りの盛り上がりがどんどん高まっていく時間だった。

試合はじっくりとした攻防をしつつも世志琥選手の体格を生かした拷問技やセントーンの説得力に驚く。 セカンドロープからのセントーンの前の世志琥選手の表情がいろんなことを考えながら試合をしているんじゃないかと思わせる。

 

試合前に「世志琥さんと麻優さんが赤コーナーと青コーナーにいるだけで泣くと思う。。 」とつぶやいていたマーベラスの選手代表である彩羽匠に対して岩谷麻優選手が「ニュートラルコーナーで見ててよ。」と返していたのだけど本当に来ていたのも物語を感じる。

 

責められながらも岩谷麻優がジャーマンを決める。

この試合のハイライトとして今までの歴史を振り返りながら技を出し合った後にこれでもかというくらいに打撃の技をぶつけ合った時間があった。2人の表情が生き生きしてる。気合のやりとりがたまらない。世志琥の重量感がある責めはもちろんなんだけど、スイッチが入った時の岩谷麻優選手の表情にいつも以上に惹きつけられた。

ずっと続いて欲しいと思われた二人の戦いは岩谷麻優選手のムーンサルトプレスで終わりを迎える。きれいな放物線をみながら試合が終わってしまうという名残惜しさを感じたのは自分だけではないだろう。

試合後は握手からのハグで歴史によって閉ざされていた二人の間の扉が開かれた瞬間を目にすることができたのは嬉しい。世志琥選手は1人リングに残って四方への礼をするのだけど、その重みと真っ直ぐさがたまらない。

試合を見ながら二人が別れたあとにそれぞれの団体のトップで戦い続けてきたことを思いつつ、今のベストマッチを見せてくれてこれからタッグを組むのか戦い続けるのかを考えられるような「歴戦」とも言える試合だった。

2021年3月3日 『レック Presents スターダム10周年記念~ひな祭り ALLSTAR DREAM CINDERELLA~』 スターダム✪STARDOM

https://wwr-stardom.com/news/20210303budokan/

 

 

The following two tabs change content below.

小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。