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社会の厳しさと楽しさを体に宿らせた上で生徒に当たる先生は厳しいことを言ったとしても生徒を惹きつける 『アイスエイジ 1』(もんでん あきこ)【Kindle・マンガ】

 

金八先生は時代遅れになった。理想論を語り、それが社会にもフィットしていた時代は終わった。子どもたちは理想だけではない生きていけないことを知り、理想だけを掲げる先生に嫌気が差す。

だからこそ、新しい形の先生像が求められている。このマンガに出てくるマサキは求められている先生像の一つの形なのかもしれない。成長し続け、頑張ればなんとなる時代が終わった今は現実を見せながらも生徒に寄り添い、子どもを守る先生が求められている。

マサキが昔ならの教師夫婦の家に生まれ、厳しい躾の元、生きてきた教師仲間に投げかける一言が印象的。

「生きるのってわりかし楽しいって教えられればジューブンっす。それにはまず大人の俺らが楽しく生きなきゃ説得力ないと思いません?」

生きるのが楽しくなさそうな先生がたくさんいる。自分のやりたいことではなく、言われたことをこなし、大きな問題を起こさないことだけを考えて行動している先生の言うことを生徒は聞かない。

社会の厳しさと楽しさを体に宿らせた上で生徒に当たる先生は厳しいことを言ったとしても生徒を惹きつける。そんな先生が増えて欲しい。過渡期の教育が次に進むべきステップがここにある。

 

【ポイント】

1:現代版金八先生。舞台は今の高校。子どもを守ることが出来ない大人たちに対して振る舞いはクールに、でも暖かく向き合う臨時英語教師マサキの日々を中心に描く

2:元フリージャーナリストで紛争地帯から帰国して公立の蓮見高校の英語の臨時教師人なることになったマサキ。その学校の校長は民間出身で昔ながらの先生との軋轢がある。子どもたちの目は死んでいるよう。マサキは自分の生き方哲学を元に先生として生徒に接する

3:凍りついている10代が多い今、子どもを守れない大人や子どもに自分の考えを押し付けようとする大人が増えている。先生も例外ではない。そんな教育へのメッセージとなり得るマンガ。

【書き出し】

その男は明らかに異質だった。無造作にのびた髪とヒゲ。日に焼けて荒れた肌。泥と埃で汚れた服

【引用】

人の痛みも自分の痛みもわかんねースカスカの無感覚人間

人間は社会性に根ざしている生き物だからな。誰かの役にたって初めて生きてる充実感が得られるようになってんの。おまえは「歯車」になるのが怖いんじゃない。「歯車」にすらなれないかもしれない事実を認めるのが怖いんだ

生きるのってわりかし楽しいって教えられればジューブンっす。それにはまず大人の俺らが楽しく生きなきゃ説得力ないと思いません?

最近、子供を守ってやれない大人が多くなったと思わないか?

【キーワード】

マサキ

蓮見高・大島校長・塩屋教頭

不破エイジ・臨時採用で英語教師

2年主任乾先生

民間出身の校長側

生気のない目ェしたヤツ

リーディングと英会話

ミカ

教師の生殺与奪権

叶マサキ

凍りついてる10代

また子どもが死んでゆく

かばって二度と歩けなくなった

意志

比呂志・テロに巻き込まれて脊髄損傷

国士明 体育教師 努力と根性で試合に勝てると思っている旧世代の遺物

公立校の教師ってのは「井の中の蛙」な奴が多い

正しいことをしていれば間違いはなかった

【オススメ度】

★★★★★

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。