自分はこどもを育てる事ができるのだろうか。そんな事を展示を見ながら考えてしまった。
今年、25歳になり、社会人として働き始めて3年が経った。結婚し、自分のこどもを持つことが身近なものになり始めた。
こどもは儚い。
生まれた時点から助けを必要とする。もし、誰も助けの手を伸ばさなかったら、こどもは育たない。
こどもは美しい。
身の回りの事を吸収し、体現化していく。親の姿はこどもの成長に大きな影響を与える。
こどもはわからない。
母親の言葉を借りるのであれば、「同じように育てたとしても全く違う形で成長する」。
そんなこどもを自分の責任で育てることができるのだろうか。そんな事を考える展示だった。なんだか、こどもが怖くなった。自分もこどもだったはずなのに恐れを感じ始めたということは自分がこどもではなくなっている証拠なのかもしれない。
宮部みゆきの本の一節にこんな言葉がある。
「子供はみんな、時代の子だよ」。
子どもは世間を表す。そんな子どもの姿から世界を見つめる展示。
貧困、戦争、政治とこどもたちを映し出すだけではない。大人とこどものはざまの姿やこどもの想像力を感じさせる作品もあり、飽きさせない。最後のこどもの想像力を感じさせる作品たちは惹きつけられ、笑ったりする中でなんだかわからない気味悪さも感じていた。
こどもたちが考える地獄や、胎内にいた頃の事を語るこどもたちの姿はなんだか、同じ人間とは思えない何かがあった。大人がこどもを支配しているようだけど、大人がこどもに支配されているのかもしれない。
【特に気になった作品・キーワード】
エリザベス・サンダース・ホーム
マンザナー強制収容所
朝鮮学校
expectation
奈良美智
小西淳也
StoryCorps
こどもらしさでもなく、大人でもなく、一人の世界
梅佳代
女子中学生
ありもしない記憶
照屋勇賢
胎内にいた頃の話
どんなじごくへいくのかな
・お気に入り度
★★★★★
ゴー・ビトゥイーンズ展:こどもを通して見る世界
http://www.mori.art.museum/contents/go_betweens/about/index.html
小檜山 歩
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