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溢れた魔力の優しさがたまらなく降り注ぐ『本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部「神殿の巫女見習いIV」』(香月美夜)

魔法の世界のとある街の下町の兵士の娘であったマインに転生した本好きの大学生がその世界では限られた人しか触ることができない貴重な本を読むために魔法の世界の中で生き抜いていく。

もともと病弱だったことでできることは限られていたマインだが、本への情熱と大切な人を守りたいという気持ちのために少しずつ行動範囲を広げていくことになる。被支配者階級である下町の兵士の娘だったはずが貴族と関係を持たざるを得ない状況にまで話が進んでいく。

魔法の世界で希少かつ大切な魔法の力を持っているマインは自分のやりたいことを助けになってくれる人のサポートを受けながら取り組んでいくのだが、突然変異的に現れたマインという異物に対して関わる中で敵となるような人も少しずつ増えていくことになる。

大きな都市ではないが、そこそこの人数が住んでいるエーレンフェストの権力争いにまで終わるような状況になっていく。インクづくり、絵を定着させる仕組みなど本作りの裏で権力争いが進んでいくことになり大きな決断を下さなければならない時が来てしまう。

マインのことを嗅ぎまわっていたインク協会会長の不思議な状況を経て身近で大切にしたいと思っていた人の行動をきっかけに一気に戦いが始まってしまう。 マインのためを思って行動してる人もいれば、国のためを思ってマインを守ろうとする人、そして、 マインと敵対する人たちも様々な思惑を持つ権力争いが佳境を迎える。

まだまだ続きがあるということもあって大団円とはいかなく、それぞれが何かを諦めなければいけない中でできることを自分の立場も踏まえて試みるのは人の強さを感じさせる。最後にマインから発された魔力には涙してしまうぐらいの優しさがあるのでぜひ、読んでみて欲しい。

次のステージに進むこともあって街の中で生きている様々な人がマインに対してどんなこと思っていたのかを読める番外編がたくさんあるのも今回のおすすめポイント。

【手に入れたきっかけ】

1巻を読んでハマったラノベ

【オススメ度】

★★★★★

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。