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20年経った今でもオウムは終わっていない。そして、オウムについて考えることは社会について考えることに等しい 「A」(森達也)【DVD】

 

改めて思う。20年経った今でもオウムは終わっていない。そして、オウムについて考えることは社会について考えることに等しい。

7年ぶりぐらいに見たオウムのドキュメンタリー。 大学時代に自分の考え方を変えたぐらいに思い入れのある作品。今見てもやっぱり色あせてなかった。

「オウムは自分とは関係のない頭のおかしい人たち」とフタを閉めてしまうことは社会に対してフタをすることになり、自分の理解できないものに対して理解するチャンスを失うことになる。それだけは忘れてはいけない。

天皇についてのドキュメンタリーまで撮ることを考える森達也には当たり前になっているおかしなことを捉える目線がある。身の回りにあることに対する違和感を感じることと感じたことを伝える価値がズンズン伝わる。

【ポイント】

1:オウムの広報副部長で繰り返しメディアに出てきていた荒木浩を被写体に地下鉄サリン事件後に教団の周りに置かれた状況を描き出す森達也のドキュメンタリー

2:等身大の若者であり、オウム信者である荒木の姿が映し出される。マスコミの度を越した取材に自分の考えを伝える姿や出家しても親の存在に引っ張られていることを率直に話す姿、その姿は決して「頭のおかしい人」ではなく、自分の隣に居てもおかしくない人。そんな人がオウムに入信する。その先にサリン事件はあった。

3:メディア論としても権力の姿を捉えた作品としても秀逸で公安が自ら転んで公務執行妨害で相手を逮捕する転び公妨の過程が収められている。こんな出来事が日本で行われたことを知るだけでもこの映画の価値がある。撮った映像を警察に出すかどうかの撮り手の葛藤は報道のあり方を考えさせる。

【キーワード】

青山総本部:荒木さん

カセット・オウム

上祐被告・JAXAに勤めていた・記者からの電話

毎日同じ料理・食事をしないでも生活できるように

尊師に値するグルがいれば…今は尊師以外には考えられない

逆側から報道陣を見る・報道陣同士で揉める・マスコミはこんなことをするのか

『麻原おっさん地獄』という本をオウムの中で読む

尊師の歌・信者へのインタビュー

広報部としての姿がテレビで流れる・出家した身

1996年4月・横浜道場・修行の風景・仏教の教義

オウムは人間じゃないという状況に置かれる

「グルは欠かせない」・でも、経典もある

上九一色村・初公判の日・高圧的な取材・共同取材させて欲しい・「お願いをしてるんですけど」

NHKの取材を撮る・話が通じていない・NHKの記者の困惑・カメラが止まる

いずれは死に別れる・大学で未来に失望した

評判悪いですね・観念は崩される・それでもついていけるのか解脱まで導いてくれるのは尊師しかいないという確信

亀戸総本部・キリスト教の街宣車・子息に教祖を変更

「質問がないと書かない」という記者

公安による転び公妨・名前を教えてくれないと不審者になる・「任意ですよぉ~」・公務執行妨害・やっぱり、この映像の持つ衝撃はすごいね

一般のところで働いた方がいいと一般人に言われる

安岡と森・作り手も名前を聞かれる・映像を渡すかどうかを考える森

笑いながら取り壊しを見る記者たち、施設を見つめる荒木

転び公妨による映像をどうするのか・弁護士に供託・釈放された

シャンバラ精舍退去前夜・破産管財人・「元気で」

亀戸総本部退去・野次馬・被害者の会会長・永岡・一般人が6対1で荒木を詰める

富士宮総本部退去前・市民からの「退去せよ」のメッセージ

見方による・帰依するぞ!

渋谷区千駄ヶ谷・一番のアジト・本来は殺生はいけない・尾行が付いている

村岡達子代表代行へのインタビュー・ゆるがない

一橋大学での講義・学生からの質問会・破防法適用の危険・女性の手を握ったことはあるか

悪魔教団「オウム」と弁護士会の前で叫ぶ女・荒木浩さんを応援する

社会の目について問う・破防法適用棄却の決定・親の想い・家族には引っ張られる印象がある

京都・夜行バス・山科ハイツ・オウムは出てけ・裁判・簡単に写真を取り除く

出家する前よりも現世に直面した・帰省する・親を嫌いになったわけじゃない

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。