未だにシングルマッチは布袋寅泰の「スリル」なんだ!と男色”ダンディ”ディーノに心が弾んだ大会は新日本プロレスとNOAHの対抗戦とは違うけど一つのプロレスを見せてくれた。男色ディーノというゲイレスラーのぶっ飛んでいるところと人間らしさが好きなのがDDTを好きになった一つのきっかけの自分にとってこの入場曲はやっぱりたまらない。シングルマッチだったということもあって布袋寅泰のスリルが流れた時の興奮は現場でしか味わえないけど印象的なシーンだった。
そんな2つのメジャー団体が対抗戦で戦っている裏で170人規模で開催されたDDTの大会は濃いめにDDTらしさを見せてくれる大会だった。
フェロモンズという男色ダンディディーノが率いる試合中にがっつり脱いでしまうユニットが前説で出てきたかと思ったら「セクシーを盗む」という手紙が出てきて視線の遠藤哲哉がOバックを掲げて出てきたワクワクする展開から試合が始まり、第二試合では男色”ダンディ”ディーノが一瞬の隙をついて勝ったかと思ったら遠藤哲哉が飯野“セクシー”雄貴の最後のOバックを盗んで第四試合にノーパンの飯野“セクシー”雄貴が登場して戦うなどの普通のプロレス団体では見られないストーリーがしっかりしたプロレスのやりとりの中でみることができるのがたまらない。6人タッグ王座の前哨戦をここまで見応えのあるものに仕上げてくれるのが現場に行って見たくなるポイントだろう。
そんなストーリーはセミファイナルにもあってプロレス界のビッグネームである秋山準がDDTの不思議な存在であるアントーニオ本多とモノボケデスマッチルールでユニバーサル王座を争って戦ったのだけどアントーニオ本多が自分なりにお笑いとプロレスの両方に向き合っているのが伝わってくるなんとも暖かい空間でプロレスを見ているのか何を見ているのかがわからなくなる時間でそれはそれで見応えがある戦いだった。秋山準がツボに入ったらベルトが移動したんだろうけど秋山準のリングの上では笑わないという昔ながらのプロレスラーらしさがこんな戦いでも垣間見えるのがいいなぁと感じる戦いだった。
そして、メインイベントは後楽園ホールでKO-D無差別級選手権試合を戦う樋口和貞と納谷幸男が相対する前哨戦のタッグマッチでチョップ合戦で引き分けに終わった会場である横浜ラジアントホールで2人が再度ぶつかった。王座戦の前に対戦する2人が向き合うといつも以上にピンと張り詰めた空気が流れて見ている人がリング上に引き込まれているのが伝わってくる時間があるのだけどこの試合もそんな雰囲気で王座戦への期待感が高まった試合だった。火野裕士が調印式でDDTのヘビー級を高める宣言をしていたのも印象的で武骨な樋口和貞との噛み合わせが最高ですごい試合を見せてくれるのだろうと期待せざるを得ない前哨戦だった。
DDTらしい演劇で文化系っぽい流れを楽しみつつ最後のピリッとプロレスまで一連で楽しめる大会でした。
Sweet Dreams!2022 TOUR in YOKOHAMA | DDTプロレスリング公式サイト
https://www.ddtpro.com/results/19648
小檜山 歩
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