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182発から218発になってゴツゴツの戦いでDDTを日本一の団体に火野裕士が持っていく DDT「Sweet Dreams!2023」 2023年1月29日

日本一の団体という言葉がDDTのリングで使われたのはいつ以来なのだろう。私がDDTを見るようになってからは少なくとも始めてだと感じている。そんな言葉を発したのが所属選手ではない火野裕士であり、プロレス界を見渡してもヘビー級選手として存在感を持っている存在だからこそ期待してしまう。

DDTという団体が大会の規模や回数で少なくとも日本のプロレス団体のトップ4(新日本プロレス、全日本プロレス、NOAH、DDT)に入っているようにも感じる中で火野裕士はその位置に満足せずに戦っていくことを期待させてくれる。プロレス団体創設者としては高木三四郎はアントニオ猪木、ジャイアント馬場、三沢光晴と肩を並べる存在で唯一存命ということは凄いのではないかと改めて思ったのだけどその点はとりあえず置いておく。

この日はなによりもメインイベントの樋口和貞と火野裕士のKO-D無差別級が楽しみで182発のチョップ合戦、30分引き分けの戦いを目の前でみて楽しみになった中で観戦することに決めた大会だったのだけどメインイベントにたどり着くまでにいろいろな試合があった。まず驚かされたのは高木三四郎がどんなレスラーでもリングに上げる度量だった。

学生プロレスをリングに上げる度量

昔、新日本プロレスの長州力選手が学生プロレス出身者を毛嫌いしていたのは広く知られている話なのだけど、ここのところは棚橋弘至や真壁刀義なとメジャー団体のトップに学生プロレス出身者が成り上がることもあって拒否反応は少なくなってきた。でも、自分の団体のリング上に学生プロレスの選手をそのまま上げるのはさすがDDTで驚かされた。高木三四郎と阿部史典のタッグである煩悩大社長がリングの上でノーギャラの選手を受け止めた。

どうなるかわからない選手をリングに大量にあげるのは度量が必要でこの団体の懐の広さを感じさせるリング上だった。いろいろ印象的な選手もいて2AWを退団してフリーになった条柴拓真などのプロレスラーもいて小橋太っ太もいて学生プロレスの不思議な選手たちもいてと盛り上がった空間だった。マザコンキッドという上野勇気をオマージュしたような選手の動きのキレにも驚かされて次がありそうで楽しみになった。

フェロモンズも仕事人はちゃめちゃタッグも

他にもいろいろな試合があって「D GENERATIONS CUP」は岡谷秀樹が須見和馬を圧倒したかと思えば驚異の新人で優勝候補の1人に挙げられる正田壮史が攻めていくも中村圭吾の粘りの丸め込みに敗れたときには後楽園ホールが一気に湧いた。HARASHIMAや納谷幸男と土井成樹の絡みは新鮮であり、町田光とタノムサク鳥羽のキックな2人と坂口征夫の関係性には先がありそうで期待があがっていく。

この大会はKO-D無差別級以外にもKO-D6人タッグ選手権とKO-Dタッグ選手権があってそれぞれがテーマがあった試合だった。6人タッグはフェロモンズに対してBURNINGがどう戦うのかであり、遠藤哲哉と鈴木鼓太郎がフェロモンズに負けない戦いを見せてくれた。タッグ王座は大石真翔と旭志織の大石旭の名タッグがリバイバルでMAOと勝俣瞬馬に渡り合って熟成しているジュニアのタッグ2チームによる噛み合った試合は見応えがあった。そして、期待感が充満する中でメインイベントに進んでいった。

メインイベントの重み。確かな戦いはチョップと頭突き

期待感が高まる中でのメインイベントは難しくてそこまでではないこともあるのだけどそんなことはなくてタイトルマッチにふさわしいぶつかり合いだった。

公式によると26分27秒の試合で218発のチョップがぶつかりあった試合だったとのこと。横浜ラジアントホールでの時間切れの試合との違いは横浜での試合よりもどこか勝負に徹していたように見えたことかもしれない。横浜での試合はお客さんを楽しませるために4方向に降りてチョップをぶつけ合う中で会場を煽ったりしていた。今回の試合もリングサイドを一周するチョップ合戦もあったのだけど煽りはなくてお互いのチョップをぶつけ合うことに限っているように見えてベルトが懸かった試合ということもあったのかもしれないと感じさせる光景だった。

そんな勝負に徹する中でも2人のチョップの種類は増えていて楽しそうなチョップ合戦をしていた。最後は打ち勝った火野裕士が驚きのFuckin’BOMBで樋口和貞を叩きつけて勝利して王者を奪取して驚きの歓声が上がった。Fuckin’BOMBを放つ時に無理矢理、樋口和貞を持ち上げた火野裕士のパワーにはまだまだ先がありそうでこれからの新しい王者としての戦いに期待してしまう。そして、次の挑戦者が現れた。

納谷幸男が期待感を持ってHARASHIMAに相対する

大きな選手との戦いを求める火野裕士の言葉に呼応するようにリングサイドにいた納谷幸男が立ち上がって火野裕士への挑戦表明をした場面ではこの日1番の歓声があがり、DDTのファンがどれだけ納谷幸男に期待しているのかがこれでもかと伝わってくるシーンだった。

大きさを持て余している中でも一歩一歩進んでD王GPで準優勝した納谷幸男が王者に26周年記念大会で王者になるシーンを期待してしまうのは仕方ないことなのだろう。そんな期待の中でもDDTの記念大会には欠かせない男が現れた。大きさでは負けているけど心の大きさは見せられる、そして、結構強いと話すDDTの象徴的な選手であるHARASHIMAが現れてこの2人での挑戦者決定戦を経て26周年大会での王座戦が開催されることになった。納谷幸男に期待が集まる中でもまだまだ戦い続けるHARASHIMAの本当の強さを期待してしまうカードでどうなるのかはまた、別で予想してみようと思います。

そして、最後の火野裕士のマイクが印象的だった。DDTが日本一の団体になるためにヘビー級を盛り上げていくとはっきり話していた。確かにヘビー級が物足りないと思われがちな団体だけど現場で見るとそんなことはないことを感じられることもあって日本一の団体を期待してしまう自分がいる。来月の後楽園ホール大会も楽しみになって推しの団体がある嬉しさを改めて感じさせる火野裕士のマイクだった。

Sweet Dreams!2023 | DDTプロレスリング公式サイト
https://www.ddtpro.com/results/19687

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。