【概要と感想】
今でもほんのわずかに残っている学生運動。
通っていた大学では全くなかったが、インカレでH大学などに出かけて行くと、
”そういう”ビラを配っている人がそれなりの数、居たことを思い出す。
学生運動で一番大きな時間といえば、東大の安田講堂事件。
その後、学生運動は衰退していくが、学生運動をしていたメンバーのほんの一部がたどりついた場所がある。
あさま山荘。
安田講堂が陥落してから3年後の1972年のこと。
あさま山荘にメンバーが辿り着くまでの活動と日常を厚く、丁寧に描いていく。
登場人物の横には「~まで~日」と、何日後に逮捕されて、何日後に死刑となるかまでが
日割りで書いてある。
また、頭に丸文字で番号が振られている人間もいて、横には「~で死亡するまで~日」と書かれている。
番号は死ぬ順番を表している。
活動の姿と日常生活がまじり合う。
彼らは粗さもあり、甘さもあるような学生だけど、戦う意志をはっきりと持っている。
交番で拳銃を奪おうとしたメンバーが射殺され、1人目の犠牲者となる。
その後、鉄砲店を襲い、武器を手に入れる。あさま山荘まであと1年。
自分と大差ない人達が運動に入っていき、闘おうとする。
自らの意思で、正しいと思うからこその行動。
自分たちとは違う人が行っている行動ではないことは、
日常のシーンを読めば分かる。
自分の信じた道だからこそ、本気で闘う。
この延長線上には様々なことがある。
誤解を恐れずに言えば、オウムも9.11もこの延長線上にある。
【入手きっかけ】
ほんの昔に、TBSラジオのある番組で紹介されていたので。
【本へのリンク】
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小檜山 歩
コンサルタント : 日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。
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