過去と完全に決別する事は出来ない。知り合いが誰も近くにいない場所に行ったとしても過去の出来事は心の中に残っていて、心の中に残っている過去は不意に現実に現れる。
もしかしたら、過去の自分を知っている人が自分を追ってやってくるかもしれない。そんな時には頭を下げてでも離れて欲しい。でも、離れてくれない。過去とは多かれ少なかれ共に歩んでいかなければならない。そんな事を実感する。
山奥、案山子なる物体を神として崇め、隻という役割の人間が案山子を操って生活の役に立てる人たちがいた。内向きで隻になると評価され、隻として認められないとつまはじかれ者となってしまう。山奥の狭い世界だからこそ、めんどくさい。
隻としての資格を失った時に村からも離れたいと決めた匡平は一人、東京の大学に通いだす。飲み屋からカラオケに行って、キレイ目の女性に告白しようと考えているどこにでもいるような大学生になり、村から離れた日々を過ごしていた。
そんな中、突然、村に引き戻される出来事が起こる。カラオケのエレベーターの中で原型をとどめない、切り刻まれた死体と対面する。普通の人なら驚くような出来事にも匡平は落ち着いていた。驚きはしたが、友人ほどではなかった。なぜなら、そんな死体を見るのは初めてじゃなかったから。
過去、村で起こった事件ではもっと多くの死体を目にした。だからこそ、その死体と似た死体が目の前に現れてもそこまで驚かなかったのかもしれない。平穏な日常にやってきた過去の記憶は平穏な日常を崩す。過去、生まれの地から離れることは出来ないんだと実感する匡平。
案山子の一体である玖吼理と隻・詩織が現れ、大きな事件を起こした阿幾が消えたことが伝えられる。噂をすれば阿幾は目の前に現れて、戦いが始まる。
昔ながらのしきたりを守る古い村を巡るバトルあり、日常ありの現代の物語。案山子と人と現代と。
【キーワード】
隻
匡平
日々乃
詩緒
案山子
阿幾
玖吼理
勾司朗
【引用】
制御できない力は持つべきじゃない。それは力を使うほう、使われるほう双方を不幸にする。
【手に入れたきっかけ】
Kindleキャンペーン!
・オススメ度
★★★☆☆
小檜山 歩
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