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在日韓国人のつかこうへいさんが韓国で祖国を探した先に見つけた祖国とは 『娘に語る祖国』(つか こうへい)【本】

 

「国を愛する」とか「愛国心教育」、「国益のために」など語られる今だからこそ、読んで欲しい。1998年の本だけど、心に染みこんでくる。

自分にとっての祖国とは何か。

難しい問いのように聞こえるかもしれないけど、そんなことはない。

在日韓国人のつかこうへいさんが韓国で祖国を探した先に見つけた祖国とは

2010年に亡くなってしまったつかこうへいさんが韓国で舞台を上映する企画に取り組んだことをきっかけに自らの祖国について考え、娘に伝える形式で語る一冊。

口語の読みやすい文体で、在日韓国人の複雑な背景からくる出来事から感じたり、考えたりしたことが素直な言葉で書かれている。

人間らしい感情の起伏や割り切れなさがストレートに書かれていて、つかこうへいさんと話しているような気になってくる。

祖国とは…

みな子よ、きっと祖国とは、おまえの美しさのことです。

ママの二心のないやさしさのことです。

パパがママをいとおしく思う、その熱さの中に国はあるのです。

二人がおまえをかけがえなく思うまなざしの中に、祖国はあるのです。

そして、男と女がいとおしく思い合う意思の強さがあれば、国は滅びるものではありません。

最後に出てくるこの言葉は読んだ瞬間に涙が溢れてきた。この文章だけだと何を言っているんだと思わせるかもしれないけど、一冊を通して伝わってくるつかこうへいさんから家族への暖かい思いを受け止めた上での言葉だからたまらない。

韓国で上映する演劇ともつながっていて、いろんな事を感じさせてくれる。自分自身の祖国についても思いを馳せるきっかけにもなる言葉。

「祖国」なんて難しいものじゃなくて、自分の心の拠り所が国とか企業じゃない、身近にある何かの大きな価値に気付かせてくれる。

【手に入れたきっかけ】

かなり前に「ブクブク交換」という本の交換会でゲット!

【オススメ度】

★★★★★

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。