総合職共働き人事コンサルのブログ

なぜか日本人だけ1日に6千人が死ぬ。そんな世界。『チャンキ』(森 達也)

 

そんな世界では高校1年生でクラスの男子のうち2人だけがヤッてない。

主人公のチャンキは15才。そのうちの2人でもう1人は柔道の強さが学校でも有名なアニマル小早川。中3でほとんどがヤッてる。それには理由がある。

喉が乾ききった犬のように脇目も振らず死に急ぐ

日本人だけが急に喉が乾ききった犬のように脇目も振らず死に急ぐ発作を起こす世界。そんないつ死ぬかわからない世界では多くの人間が欲望に正直になる。そんな10年や20年あとのことを想像しても仕方ないから。

タナトスと呼ばれるそんな症状で1日に6,000人死ぬ。他にも今の世界と同じように死ぬ人もいるから1年で300万人が命を失う日本になってしばらくたった世界。日本はゆっくりとなくなっていきそうな世界。そんな世界が舞台のお話。

そんなことになったのはなぜか…?誰も行かない場所のせい?

チャンキの彼女だけどヤラせてくれない女の子である梨恵子は誰も行かない、行ってはいけないとされている”カメ地区”と呼ばれる場所に向かう。そこからいろんなことが明らかになり、梨恵子がなんでヤラせてくれないかもうっすらと明らかになる。

”ネトウヨさん”が韓国人や中国人のDNAを馬鹿にするようなことがあるけど、そんな現実へのアイロニーも含まれている。なぜか日本民族のDNAだけが死に向かう発作を引き起こす。それはなぜなのか。謎解きではなくそんな現実にどう向き合うのかを考えさせられるかな。

梨恵子の答えはとっても素直でいいなぁと。ちょっと安易というかそれでいいのかと思ったりもするんだけどね。これが森達也らしさなのかもと。ちょっと冗長だなぁと思ってしまったけどね。

【手に入れたきっかけ】

好きな映画監督である森達也さんの小説だったので

【オススメ度】

★★★☆☆

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。