ちょっと立ち止まって周りを見廻してみよう。なんか変だと思ったら違和感を声に出してみよう。そんなお話。
イラク戦争、タマちゃん、オウム・麻原被告への死刑宣告など、ひと昔前の話題がズラッと並ぶ。オウムの側から世界を撮ったドキュメンタリー、「A」の監督である森達也の文章集。2000年代前半にさまざまな所で書いた文章が一冊の本になっている。
森達也の文章が好きだ。はっきりと世間を切るような物言いでは決してない。うじうじ、ビクビクしながら世間を見つめている。そんな姿が文章から感じられる。
身近な事で普通の人は気付かないこと、他愛ないとして切り捨てられることに目線を向ける。トイレの蛇口を触りたくない話しかり、オーバーステイを不法滞在と言い換えるようになった、言葉の問題しかり。
尖り始めた社会に感じる違和感を文章にしてくれる。この人の文章を読むと、なんだか落ち着く。変わらない自分だったり、頭の中にあるモヤモヤ自体を肯定してくれているような気がするから。
ちなみに、僕も森達也がこの本で書いているように総合格闘技よりもプロレスが好きだ。昔、誰かが言ってたように、余韻のない、レイプのような総合格闘技よりも余韻があり、愛のあるSEXのようなプロレスが好きだ。
【引用】
人は皆が思っているほどに賢くはない。でも皆が思っているほどに残虐でもない。だからこそ過ちを繰り返す。心が弱くて、優しくて、善意溢れる生きものだからこそ、人は互いに殺し合う。
【手に入れたきっかけ】
Kindleのキャンペーンで好きな著者、森達也の著書がセール価格になっていたので、購入!
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小檜山 歩
コンサルタント : 日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。
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