総合職共働き人事コンサルのブログ

ちょっとだけ立ち止まって休憩したいあなたに 『モリー先生との火曜日』(ミッチ ・アルボム)【Kindle・本】

 

【要点】

1:夢破れてお金稼ぎに専念していた僕がたまたま見たテレビに写っていたのはALSと闘病をしている大学時代の恩師の先生だった

2:いてもたってもいられず、ぼくは恩師の元へ会いに行った

3:会いに行った先でぼくは先生から最後の授業を受けることになった。その授業の内容は愛について、死について、社会についてなど多岐にわたった。死を実感した先生から語られる最後の授業をまとめたのがこの1冊

 

大量に押し寄せる情報を考えるまもなく処理し、一日一日が過ぎていく中でたまに立ち止まって自分の身の回りを見つめ直すことには大きな意味がある。

年の瀬になり、今年一年を振り返ると何か意志を持って生きてきたというよりは目の前のことを捌いてきただけなんじゃないかと思う年はないだろうか。自分にとっては今年、2014年がそんな年であるような気がする。

目の前のことを捌いてきただけだと思える年だからこそ、その中で得たもの、触れ合った人たち、目の当たりにすることを避けてきたことを今一度考えてみることも大切なんだろう。

ましてや、死を目の前にしたら人生を振り返ることになる。そんな時に自分について、大切な人について語れる自分でありたいとこの本を読むと思うのです。

この本は死を目の前にした大学教授が残した名言集でも、厳しい闘病生活を日記にしたものでもなく、先生になるしか選択肢がなかった教授が実りのあった人生とその人生で触れ合ってきた大切な人たちのことを思い出す日記のようなもの。

その中で時の流れに急かされている読み手たちの歩いてきた道をふと見るように促してくれる。ちょっとだけ立ち止まって休憩したいあなたに。

【キーワード】

恩師の生涯最後の授業は、週に一回先生の自宅で行われた

ALSにかかった大学時代の恩師から毎週火曜日に最後の授業を受けた

【引用】

もうじき死ぬとはいっても、私のまわりには愛してくれる人、心配してくれる人がたくさんいる。世の中にそう言える人がどれだけいるか?

アメリカではO・J・シンプソン裁判がクライマックスを迎え、誰も彼も昼食そっちのけで成り行きを見守っている。残りはビデオにとっておいて夜見ようというありさま。O・J・シンプソンは知り合いではない。事件の関係者は誰も知り合いではない。にもかかわらず、みなこの赤の他人のドラマに日夜うつつを抜かしている。  この前訪ねたときにモリーが言ったことを思い出した。「われわれのこの文化は人びとに満ち足りた気持ちを与えない。文化がろくな役に立たないんなら、そんなものいらないと言えるだけの強さを持たないといけない」

「人生でいちばん大事なことは、愛をどうやって外に出すか、どうやって中に受け入れるか、その方法を学ぶことだよ」

「いかに死ぬかを学べば、いかに生きるかも学べる」

「他人頼りを楽しむことにしたのさ。今では、誰かが横向きにねかせてくれたり、ただれないように尻にクリームをすりこんだりしてくれるときには、楽しいなと思う。額を拭いたり、脚をマッサージしてくれるときも、うれしくてうれしくて。目をつぶって、味わいつくすっていう感じさ。それがまたよくよく知っていたことのような気がする。

「ほんとうのところ、私自身の中にすべての年齢がまじり合っているんだよ。三歳の自分、五歳の自分、三十七歳の自分、五十歳の自分ていうように。そのすべてを経験して、どんなものだかよくわかっている。子どもであるのが適当な場合には、喜んで子どもになるし、思慮深い老人であるのがいい場合には、喜んでそうなる。何にだってなれるんだ! 私は今のこの年までのどんな年齢でもある。わかるかい?」  ぼくはうなずいた。 「今の君の年代をうらやましがってなんていられないよ――前に自分がそうだったんだから」

「私は結婚についてこういうことを学んだ。結婚ていうのは、テストされるんだよ。自分がどういう人間か、相手がどういう人間か、適応できるかできないか、それを見つけるのが結婚だ」

「価値観の中でも最大のものはね、ミッチ」  はあ。 「自分の結婚が大事なものだという信念さ」

「死ぬ前に自分を許せ。それから人を許せ」

「死で人生は終わる、つながりは終わらない」

もっと心を開くこと、マスメディアなどを通じて流される価値観にとらわれないこと、愛する人が話をしているときには、聞けるのはこれが最後のつもりで注意を払うことを教えたい。

【手に入れたきっかけ】

パートナーに薦められて

【オススメ度】

★★★★☆

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。