今の社会を剥がしたらそこには何があるんだろう。
とんがってる系の映画監督として年々注目度が上がっている園子温が描いた絵本は一人の人間と一匹のカメを中心とした物語。
現代風刺でもダークファンタジーのようでもある感じ。舞台は今の東京だろうか。描かれるのは昔の園子温を投影した鈴木良一とカメと社会の関係性。
それぞれ重なり合って何かに覆われていて、その何かを剥がしたら何が出てくるのかがなんとも難しい子どもの落書きのような、現代芸術のような絵と書き殴ったような文章で描かれる。
物語の後には園子温による解説のような文章もあるけど、メインはやっぱり絵本の部分。なんだか分からないけど、今の社会を批判しているような園子温の世界が映画ではなくて本の形で表されている。
6月27日に公開される映画のタイトルと同じということもあり、映画の予告編でもあるのかもしれない、
絵本の後に綴られているある年の6月10日の物語はどこからが物語でどこからが本当にあった話なのかの境界線が見えなくてそれがまたいい。
【手に入れたきっかけ】
「本が好き!」というWEBサービスの献本キャンペーン
【オススメ度】
★★★★☆
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小檜山 歩
コンサルタント : 日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。
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