新しいサービス作りをするだけじゃ生き残っていけないですよと警鐘を鳴らす
日本人が作り上げ、広く語られ、使われているビジネス戦略を網羅的に理解できる1冊。
【入手経路】
Amazonプライム会員になり、月に1冊読める無料本の中にあり、ずっと気になっていた分野だったので購入。
【概要と感想】
マーケティングに関する人だけでなく、企業の戦略について調べている人はどこかで聞いたことがあるだろう
ランチェスター戦略。私自身も何度も単語は耳にしていたけど、詳しくは知らなかった。
そんなランチェスター戦略について網羅的に理解できる1冊。
ランチェスター戦略学会が出来た際に学会の副会長がまとめている。
成り立ちの歴史、なぜ今、必要なのか、どんな内容なのかという3つが1冊にまとめられている。
売上や利益の規模を競うのではなく、マーケットシェアの拡大を追求する戦略であり、
シェアが2位以下の企業がどう立ち振る舞えばいいのかを教えてくれる。
元々は軍事戦略であったマンチェスター戦略。それをマーケティングに活用しようと思ったのは
田岡信夫という日本人の方。日本人が作り上げたマーケティング戦略としても興味深い。
シェアの目標値と状態の相関関係は目指すべき値としてメモしておいた方が良い値。
そして、1つのサービスで一発逆転できるから、新しいアイディアをひたすら出して
とりあえずやってみることがもてはやされている時代にランチェスター思考の観点から警鐘を鳴らす。
日本人が作り上げた地に足のついたビジネス理論として、同じ日本人としては理解して現場で活かすべきなのかもしれない。
【引用】
市場占有率の目標数字モデル
1:上限目標値 74% 絶対的な独走状態
2:目標安定値 42% 安定的な強者の位置。独走態勢に入る。
3:下限目標値 26% 弱者と強者の境目。トップになることもあるが不安定。
4:上位目標値 19% 弱者のなかの相対的強者。伸びるか、落ちるか不安定。
5:影響目標値 11% 存在がマーケット動向に影響を与え、注目される。
6:存在目標値 7% 存在が競合社として認められる。
7:拠点目標値 3% 存在自体が無視されるが、なんとか存在できる。(261-262)
企業であれ、非営利組織であれ、高い目標、ひいては困難な目標のみを掲げ、その達成を目指し叱咤激励するだけというのは、最悪である。(306)
破壊は創造の結果であり、破壊が創造を生むのではない。(609)
※Kindleのページナンバーを記入しているため、実際のページとは異なる場合があります。
【本へのリンク】
小檜山 歩
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