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お母さんが「ねずみのスリッパ」のある生き物が「私は誰?」の疑問に向き合うイタリア発の物語 『君はだぁれ?』(パオラ・マストローコラ) 【本・献本】

 

【概要と感想】

自分が誰だか分からないときは、自分が誰なのかを知りたくなり、自分が誰だかわかった途端、自分はだれでもないと思いたくなる。

そんなよく分からないモヤモヤを文章に。

生まれた時は自分が誰かなんて意識しない。だが、しばらく生きていくと、同じ種類の相手と出会い、自分が誰なのかがわかってくる。

人間も、最初は自分が何かなんて分からないけど、人間同士で出会い、人間ではない生き物を目にすることで、自分が人間であり、目の前の動物とは違う種類の生き物なんだとわかってくる。

これで、自分が人間であると気づく。でも、しばらくすると、目の前にいるのも人間で、自分も人間で自分自身だけの特徴がないことに気づき、自分が何者であるかが分からなくなってしまう。

自分が他の人間と同じであることが気になって、他の人間との違いを見つけたいと思うようになる。

メンドイことかもしれないけど、生きてきた中で少なくとも一回は思う疑問ではないでしょうか。

私は誰なのか。

面倒くさいし、結論は見えないし、考えても悩んでも時間のムダかもしれないけど、考える価値のあること。

哲学という学問がずっと取り組んできた疑問で、宗教や自己啓発セミナー、ネットワークビジネス、日々の仕事など、いろんなところでぶつかる疑問へ向き合う1冊。

ただ、向き合うのは人ではなく、ある動物。お母さんは「ねずみのスリッパ」。さて、どうなるでしょうか。

【引用】

まずひとつめ、仕事をしている人に、どうしてその仕事をしているのかなんて聞いてはいけない。じゃないと怒るだろう?ふたつめ、人っていうのは世界を変えようとすることが好きなものなんだ。だから、そういう人にはそうさせておいてあげること。(P39)

年をとっても、大切な人を失っても、災難に見舞われても、家が崩れても…唯一どんな時も変わることのないもの。自分が何の動物なのか。それだけが唯一、この世の中で絶対に揺らぐことのない確かなものである。(P129)

【入手きっかけ】

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【本へのリンク】

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。