【概要と感想】
文章の書き方を説明しているのに、文章がつまらない本って多くはないでしょうか。
読んでいても「おっ!」とか、早く続きを読んでいきたいとか思えずに、ページをめくるスピードが遅くなってしまう文章の書き方指南書に出会うと、この本って本当に参考になるのか?と思ってしまうのは自分だけではないでしょう。
この本は違う。
本の中にはっとさせる一節がいくつもあり、こうやって文章は書かないといけないなぁ、と感じさせてくれるのです。
最近は、追いつけていないのですが、大学生の頃は毎日のようにPodcastで聴いていた「荒川強啓デイ・キャッチ!」で曜日別コメンテーターを務めていて、毎日新聞で編集委員をやっている近藤勝重さんの本。
文章を書くことを生業としている記者の方の文章の書き方指南書です。
「書くことを見つける」やり方の説明と「文章を書く」やり方の説明で構成されています。
冒頭で「いい文章=「独自の内容」+「伝わる表現」」と書かれているように、このどちらかが欠けても良い文章にはならない。だからこそ、どちらも説明してくれています。
文章術とアイディア出しテクニックのどちらかのみが書いてある本は多いけど、両方が書いてある本は少ない中、この本はどちらも充実しているのでおすすめなんです。
文章術とアイディア出し方法のどちらも充実している文章の書き方指南書。
【引用】
いい文章=「独自の内容」+「伝わる表現」
文章は自由自在に「時」を操ることができます。文章表現の強みですが、それだけに時の流れが読み手にわかるように心がけなければ強みが生かされません。
アイディア出しヒント
「思う」ことより「思い出す」こと、すなわち記憶に残る「真夏」の体験の中に材料を求めるべきなんですね。
見方・視点は「納得」「共感」「驚き・不思議」の三つのファイルに分け、新聞や雑誌、本に登場の人の話でそれらに該当するものがあれば切り抜いたり、コピーしてそのファイルに収めています。
「ありきたりな決意表明とか誓いとか、いい子の見本のようなことを書いて終わるのはやめようよ」
文章の書き方
描写力をどうつけるか。何と言っても見たことをしっかり伝えるんだという目的意識を持つことでしょうね。その自覚があれば、全身が目になり、耳になり、五感はいきいきと働いてきます。
心情吐露や説明はいらない。描写が大切
文章上、「思う」「考える」「感じる」は多用されています。文末などとくによく使われていて、安易に使われている感さえあります。それらを他の表現に変えてみる。学生のリポートにもありましたが、文章が客観的になり、かつすっきりする効果がありそうです。文章力をつける上からも大いに推奨したいです
とりあえずは文中の「私」のチェックですね。
「あれ、それ、これ」などの指示代名詞で不要なものは削りましょう。
【入手きっかけ】
大学時代に愛聴していたPodcastの「荒川強啓デイ・キャッチ!」で著者自身が紹介していたので。
【本へのリンク】
小檜山 歩
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