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21世紀の野球漫画の王道になる!と言ってもいい漫画のスタート ひぐち アサ『おおきく振りかぶって (1)』

「野球をやっている人の90%以上はピッチャーをやりたい気持ちを絶対に持っている」
統計を取った訳でも、そういうデータを見た訳でもないけど、
中学まで9年間、野球をやってきた自分の感覚にこう思う。
一番こなした時間が長いポジションがキャッチャーの自分でもそう思う。
グラウンドで唯一、一番高い位置に立ち、最も注目を集める。
毎回ボールを補給するキャッチャーと比べて、ボールを投げるピッチャーの注目度は
ものすごく大きい。「投げる」と「捕る」という違いだけで、こんなにもかというほど。
高校野球の中継で、ピッチャーの顔はズームアップされるけど、
キャッチャーはされないことからもその注目度の差を示している。
そんな、ピッチャーが投げるときにする動作(全ての人がする訳ではないが)である
「振りかぶる」がタイトルにもなり、表紙にも出ているこの漫画。
アニメにもなり、2次創作も盛んで、大人気と言っても過言ではない漫画の第1巻。
この年から新しく作られる野球部の話。
監督は女性、3つのホルモンとか、惰性などの科学的な野球の知識がある責任教師。
そこに、1年生が集まる所から始まる。
既に9人居る中に、主人公のピッチャーが現れる。
いろいろあって性格に難があるピッチャーに
「首振る投手は大嫌い」・「投手なんてヤなヤツばっかり」と言い切るこちらも
性格に特徴があるキャッチャーがコンビを組む。
そして、ピッチャーの性格を変えてしまった昔のチームメイトとの試合につながっていく。
野球好きにとっては絶対にお勧め。人間ドラマも野球自体の描写も
どっちも細かく、リアルで読みごたえが本当にある。
初期設定はもちろん、都合良く、こんなに上手くいくのか?と
少し思ってしまうけど、それも許容範囲。舞台設定の中でのストーリーは本当に楽しめる。☆5つ。
「いい投手」とは何か、「捕手の役割」とは何かもほんの少し垣間見える。
でも、まだ、ほんの少し。わくわくさせ、続けて読んでいきたいと思わせる1冊。
もう、かなり進んでいるけど、20世紀の野球漫画の王道が「ドカベン」だとするなら、
21世紀の野球漫画の王道になる!と言ってもいい漫画のスタート。

ひぐち アサ
講談社 ( 2004-03-23 )
ISBN: 9784063143423

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。