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2039年には新たな証拠が開示される。それを待つのも人生の楽しみの一つ~ジム ギャリソン「JFK―ケネディ暗殺犯を追え (ハヤカワ文庫NF)」~

1963年11月22日、第35代アメリカ大統領のジョン・F・ケネディ(JFK)が暗殺された。そして、リー・ハーヴェイ・オズワルドが逮捕され暗殺され、犯人とされていた。その中で疑問に思った地方検事のジム・ギャリソンが真実を探った過程を記したノンフィクション。最後には、ギャリソンなりの結論を示している。
はじめにでギャリソンが書いた

P24 25年経った今、ケネディ大統領暗殺と、それにつづく政府およびマスコミによる隠蔽工作がアメリカにとって分岐点を画する事件であったことがよくわかる。これら両事件は、戦後のアメリカ人の純粋さの喪失を意味するものであり、政府ともっとも基本的な制度に対する不信、不満に充ちた現代の風潮のはじまりを意味するものである。

というのが一つの視点として興味深いものである。1963年は私も生まれていないので、歴史としてのJFK暗殺しか知らないし、その話は陰謀論として語られ続いている。その中で、ケネディ暗殺の意味を考えることの面白さがあると感じた。
そして、情報コミュニティの存在、不自然な極秘ファイル、ベトナム戦争を行いたい人、はめられたオズワルド、組織的に仕組まれているように見える状況などから、1つの可能性に迫っていく。その中で、本人に様々な形で迫る危険や圧力も描かれている。関係していたような人を裁判にかけるも無罪に終わり、検事の職も離れざるを得なかったギャリソンはJFK暗殺を陰謀であり、ある種のクーデターであったと結論付けている。
もちろん、その結論が正しいかは分からない。でもJFK暗殺がたった一人の手で成し遂げることが出来た。と言うことは難しいことは誰でも思うこと。何らかの力が働いたと考えるのが普通だし、そう思う人が多数だろう。2039年には新たな証拠が開示される。それを待つのも人生の楽しみの一つ。そんなことを思った本。結構な厚さだし、読むのが大変。でも、なんとか飽きずに読むことが出来たし、内容の充実さとJFKの基礎知識と1つの分析を知ることが出来たことで☆3つ。

本・雑誌
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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。