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1%未満の「グローバルエリート」ではなく95%の「ノーマルモチベーション」を作り出す教育の方が大切なんじゃないか。「週刊 東洋経済 2011年 7/2号」

無料体験購読のラスト。テーマは「グローバルエリートを育成せよ」。自分がそんなグローバルエリートを育成するような大会とプログラムを運営していたから、それなりにじっくり読めた。でも、違和感がある。そんな自分の違和感は最後に書く。
米国、中国、韓国、シンガポール、フランスなどの各国のエリート教育最前線から、日本の動きまで。結構、細かく記されている。その中で紹介されている世界を目指す中高一貫校に見慣れた名前が。それは「渋谷教育学園渋谷高等学校」。
運営していた大会で毎回上位に入ってくる学校だ。私が運営していたのは全国高校模擬国連大会。日本全国から高校生が集まり、各国の大使になりきり、国際問題を議論する。優秀校はアメリカで開催される世界大会に参加する。今年の5月には災害の影響もあり、渡米した10人の日本の高校生が国連の潘基文事務総長に会った。日本大会で入賞した高校生にはハーバードに進学した人も居る。そんな大会も運営していたため、出張授業なども行い、世界を目指す高校生を目の当たりにしてきた。少なくとも、バドミントンと遊びしかしなかった自分の高校1~2年とは違った高校生たちがたくさん居た。
さて、本題からずれてしまった。日本にはそんな素晴らしい高校生がたくさん居る。だから、更なる「グローバルエリート」を育成することが大切。ということで「グローバルエリートを育成せよ」というテーマなのかもしれない。そんなエリート教育を特集している本はたくさんある。この雑誌でも今回の号はその1つだろう。
ここで、最初に書いた違和感についての話に戻る。「グローバルエリート教育」をいくら導入しても日本は良くならないのではないか。という私の気持ちが違和感につながっている。だから、こんな見出しの雑誌は好きではない。グローバルエリート教育を自発的に受けようと思っている高校生がどれだけ居るのか。言い換えると、そのために頑張ろうと思っている高校生はどれだけ居るのだろう。1%にも満たないと思う。そんな、少数のエリートの力で日本が良くなるとは思えないし、海外に出ていき、日本をなんとかしようというエリートはほとんど居ないんじゃないか。
だからこそ、1%未満の「グローバルエリート」ではなく95%の「ノーマルモチベーション」を作り出す教育の方が大切なんじゃないか。今の普通の中学生、高校生を見ていると、22才の自分でさえ、時代は変わった。と思えてしまう。やる気がない、やりたいことがない、タルい。そんな中学生、高校生が多い。自分たちの時にも、そんな人もたくさん居たのかもしれないけど、体感で、ものすごく増えていると感じる。それは生まれてから、周りがいい状態になったことがない環境も原因なのかもしれないけど、教育で「生まれてきたことの意味、価値」「未来の可能性」を考えることで大多数の学生がそれなりのモチベーションになることに取り組めないのか。本来、学生とはそんなことを思える時間だったんじゃないのかな。と思う。だからこそ、もちろん、「グローバルエリート」の育成も必要。でも、それ以前に大多数が「ノーマルモチベーション」になるような一人一人が自らの可能性を認められるような教育が大切だと思う。
本当に本から話がズレたけど、だから、このテーマは好きじゃない。☆2つ。各国の一般教育やモチベーションの高い生徒がほとんどの学校や塾の紹介が大切だと思う。売れるから流行りの「グローバルエリート教育」をどこも特集してたらね・・・微妙でしょ。

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。