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芸人やM-1を完全に愛しているM-1語り 『M-1戦国史 (メディアファクトリー新書)』

ラリー遠田さんという“お笑い評論家”さんが2001年の第1回から
第9回まで終わった時点、2010年の時点でM-1について語った本。
基本的にはM-1という大会を100%肯定している。
昨年、2010年にM-1は第10回大会を持って終了した。9回出場という
物凄い記録を作った“笑い飯”が最後の王者になり、ハッピーエンド。
そして、スリムクラブという新しいスターを生んだ。
M-1は終わったけど、今年から「THE MANZAI」というタイトルで、
全国に放送される漫才の大会は続いていく。
全国で見られ、全国から参加者が集まる漫才大会の最初のものである「M-1」を
M-1とは?と言う話から、M-1の誕生、9回の大会の歴史、審査員についてと説明と続け、
テレビではほとんど語られないけど、ごくまれにラジオで語られ、
多くの人が心に思っているだろう“M-1ヤラセ説”の分析。
最後に、M-1と芸人について語っていく。
芸人やM-1を完全に愛しているM-1語りとなっている。
“お笑い評論家”という立場上、M-1や芸人を否定するのは難しいんだろう。
ヤラセに触れたのは「無批判だ」と読者に言われることへの防波堤なのかもしれないけど、
島田紳助さんの力がかなり強い状況や、予選のヤラせについて「仕方ない」という
姿勢を見せているのはメシのタネから嫌われないようにするためだろうな。
と正直思った。
でも、M-1が好きな人なら読んでいて楽しめる内容。
芸人のかっこよさが分かるエピソードやそれぞれのプライドが読み取れるし、
M-1のウラの人間ドラマの面白さがこの本にはある。
特に、9回のM-1グランプリを振り返る章では、
それぞれの大会にテーマを置いて語っている。例えば、
2回大会:ますだおかだ VS関西の色んな理由
5回大会:ブラマヨがたどり着いた自分らしさ
7回大会:4分の漫才という特種なフォーマットへ対応すること
8回大会:キャラ芸人、「おもてたんとちがーう!」
などがテーマとして読み取れる。
M-1好きにはオススメ。
テレビで見ているだけでは読み取れないことが詰まっている。
漫才やお笑いが好きな人にもいいかも。M-1という語る機会が結構あるものの
理解を進めるし、M-1とは何だったのかを考えられる。
んで、漫才やお笑いに興味がない人は危険。「だから?」で終わってしまうかも。
☆4つ。
根本はテレビの話題だから仕方ない。
筆者は2010年の初旬、M-1が終わるかも。という噂が流れている時に、
「マイナーチェンジを加えてしばらく継続」が7割
「1-2年以内に終了」が3割。
「THE MANZAI」を見ていると、どっちもなのかな?
10回大会を振り返るなら「一応のハッピーエンド、これもまたよし。」
になるのかな。

ラリー遠田
メディアファクトリー ( 2010-10-23 )
ISBN: 9784840135382

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。