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自分で考えることを求め、政治に意見を持つことができる環境が必要なんじゃないかな。~『COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2011年 03月号』 part2~

70~71「USニュースの番犬 過激な政治トーク番組の“責任”を糾弾した銃乱射事件の捜査保安官」この記事はいい。メディアが市民に与える影響について

「アリゾナは差別と偏見のメッカになってしまった。」

ガブリエル・ギフォーズ下院議員狙撃の捜査担当官が話す。そして、政治トークショーの責任を語る。

「彼らはラジオやテレビを通じて、毎日、強烈な言葉を発している。政府を倒せとアジる彼らの言葉を心の不安定な人が聞いたらどう反応するだろうか。怒り、憎しみ、偏見はこの国で手がつけられないことになっている。残念なことにアメリカはその中心になってしまった。」

「ヘイトメディア(政治的な憎しみや怒りを撒き散らすラジオやテレビ)の総本山である「FOXニュース・チャンネル」は、自らを指弾したデュプニク保安官を番組に出演させた。もちろん、彼の発言を花っておくわけにはいかないからだ。」

そして、デュプニクは話す

「私は確信している。言論の自由だからと言って何を言ってもいいわけではない。過激なことを言うのは金儲けなのかもしれないが、マイクを持って公共の場で発言する際は無責任なことを言うべきではない。発言には必ず結果が伴う。」

民主党員だと指摘されたあとにはこう返す。

「「政治的立場なんかどうでもいい」
デュプニクは保安官の立場すら越え、リベラルと保守に二極化されてしまったアメリカの現状を憂いた。
「かつてこの国では問題があればイデオロギーを超えて同じテーブルにつき、解決策を見出そうとしたものだ。しかし今ではそんな光景を見ることはなくなってしまった・・・・」」

日本にはそういう激しいトークショーがない。アメリカは過剰に行き過ぎた。やっぱりバランスが大切。だから、少しでもそういう番組があるといい。その中で、自分で考えることを求め、政治に意見を持つことができる環境が必要なんじゃないかな。そのきっかけの一つがメディアであるべき。

大震災の影で安全保障理事会の決議を元にして、市民を守るためにリビアへの多国籍軍の攻撃が始まっている。英仏を中心とする攻撃。中露はあまり賛成してないし、アフリカ連合も積極的ではない中の攻撃。日本は賛成した。震災のためにこの件についてあまり取り上げられていない。そして、コメントをあまり出さない。社説は出さざるを得ない。そのなかで朝日新聞は3月20日付けで「リビア介入―市民の保護を最優先に」という題で社説を出す。最後の2文がこれ。

「決議の目的は内戦へのてこ入れではなく「市民を保護する」ことである。政権側の地域にも守るべき民間人がたくさんいるのを忘れてはならない。
 国際社会は必要以上の威嚇や挑発を控え、停戦への努力を最後まで続けたうえで、最小限の介入で「保護する責任」を果たすべきである。」

矛盾じゃないか?「威嚇や挑発を控え」「最小限の介入で」って変だよな。これが、はっきりとものを言わない日本のマスメディアを表しているんじゃないのかな。それは逃げの姿勢にみえてしまう。日本が介入に賛成したあとの言論はまだでてないので、待ちたい。
小檜山は今回の介入には賛成。人道的介入の事例としては外交的にやむなしと考える。でも、同じ状況になったときの中国やロシアへ介入しない理由はなんなのか。ということにもなりそう。ケースバイケースと考えるしかないのかな。なんかもどかしい。
もし、ロシアで、中国で、イギリスで、ドイツで、アメリカで、日本で政権を転覆しようとしたら政権に弾圧される。でも、安保理は介入しないだろう。このダブルスタンダードをどう考えればいいんだろう。難しい。
「リビア介入―市民の保護を最優先に」
http://www.asahi.com/paper/editorial20110320.html

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。